Oct. Week 3, 2022
Got Divorce, Then Speedy Engagement
夫の浮気が原因で離婚、渡米してスピード婚約したものの…


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私は3年半ほど前からアメリカで生活しています。
渡米のきっかけは 結婚2年後に夫の浮気が原因で離婚をしたのですが、浮気相手が私の友人で、 彼女が言いふらす誹謗中傷に精神状態をかき乱されてしまい、暫く日本を離れたいと思ったためで、グリーンカードを持っていることもあり アメリカに住むことにしました。
離婚のゴタゴタで打ちのめされていたので「暫く恋愛はしたくない」と思っていましたが、こちらでの生活が落ち着き始めると、 交友関係を広げるためにも いろいろな人に会うべきだと考えるようになり、複数のデート・アプリに登録しました。 その直後くらいだったでしょうか、パンデミックのロックダウンが始まってしまい、その時はただでさえ少ない知り合いにも会えず、 「アメリカで1人でコロナに感染したらどうしよう…」とナーバスになって帰国も考えました。 ですが夫が浮気相手の友達と一緒に暮らし始めたことを友人に知らされて、帰国すれば惨めになるだけと思い止まり、 「私も早く誰かと出逢いたい」とデート・アプリと格闘する日が続きましたが、収穫無しでした。今から思うと、この時期があったから臆病になっていた恋愛に前向きになれたのだと思います。 その後パンデミックが落ち着いた昨年のレイバー・デイの休暇の友人宅のBBQパーティーで今の婚約者に出逢いました。

彼は背が高くて、見た目にも私好みのアメリカ人で、気さくで話し易く、同じバツイチでした。 でも彼の離婚は彼の浮気が原因で、私は離婚以来ずっと気になっていた「妻を裏切って浮気をする男性の心理」について彼にいろいろ尋ねて、随分長い時間2人だけで話していました。 彼の前妻は大学のエリート・スポーツチームのコーチで、平日も週末もチームの練習で家を空けて、夏に合宿、トーナメントがあればチームに同行するので、 離れ離れの時間が長く、「これじゃあ何のための夫婦なのか?」と感じていた時に、職場の女性に熱心にアタックされたそうで、「前妻もスポーツ・オーガニゼーションの男性と浮気をしていたように思う」と言っていました。
私は離婚について誰とも心を割って話したことが無かったので、彼が全然悪びれずに自分の浮気について語ってくれたのがとても新鮮で、 私が夫と友達の2人に裏切られて 悔しい思いをしたことを 同情して、一緒に腹を立ててくれる様子に癒されて、徐々に彼とデートを重ねるようになりました。 そして出逢って約7ヵ月の今年春に彼にプロポーズされて、OKしました。 当時はパンデミックの入国制限のせいで彼が日本に行くことが出来ず、日本の家族へはZOOMチャットで紹介したのですが、家族も「素敵な男性!」と喜んでくれました。
ですがその後、妹と2人だけでZOOMをしていた時に 彼の浮気が原因で前妻と別れたことを話したら、夫に浮気をされて離婚した私が 浮気の前科がある男性と再婚しようとしていることに驚かれてしまいました。 以来、両親も彼の人間性について「相手をどれだけ理解しているの?」と疑問を感じるようになり、「婚約も性急なのでは?」と言うようになりました。 私は最初は「彼の実物に会ってもらったら、そんな不安も消える」と家族に話していましたが、確かに婚約はちょっと急だったかなとも思い始めました。 それから少しして、私は知り合いから 彼が前妻がコーチをしていたチームの大学生と関係して、それが原因で離婚をしたことを知らされ、さすがにショックを受けてしまいました。

以来、彼に対する疑いの気持ちが強くなって、そういう目で見るようになると、今までは気にならなかった彼の他の女性とのコンタクトも気になるようになってきたので、 ある日彼に どうして離婚の原因についてウソをついたのかを尋ねました。 すると彼は「大学生にはストーカー的に追いかけられていただけで、浮気関係があったのは会社の女性だった」言って、私にはウソをついていないと説明してくれました。 そして「婚約のタイミングは確かに早かったかもしれないけれど、お互いに離婚を経験して、結婚に変な夢や理想を描いていないので、 私となら結婚してやって行けそうに思っている」こと、「婚約によってそれを早く明確にした方がお互いの信頼も高まると思った」と言われました。
私には彼の言い分は筋が通っているように思えます。それに私達が出会ったBBQパーティーでは、周囲が盛んに私達にくっつくように仕向けていたのですが、 彼が本当に問題のある酷い人だったら周囲はそんな風に振舞わないと思います。 あと、本当に大学生が浮気の原因だったら、それより10歳以上年上の私と彼が婚約するなんて思えません。
私の中では彼を信じる気持ちで固まっているのですが、日本の家族は 彼の浮気が引っかかっているようで 結婚に反対はしていませんが、賛成もしていません。 婚約直後はとても幸せで、早く一時帰国して素敵な彼を大好きな日本の家族や友達に紹介したい気持ちで一杯だったのですが、 今では家族や友達を紹介しても、彼の外観の良さとか 女性に対する気配りのせいで、逆に彼の浮気性の疑いが高まりそうで心配しています。
私は自分と出逢う前のことは仕方がないと思うタイプなせいか、周囲がいう程は彼の過去の浮気は気にしていません。さすがにDVの過去があったら私も考えますが…。 でも彼はルックスが良いので、女性が寄って来ることはちょっと心配していて、早く彼の妻のポジションに収まってしまった方が精神的に落ち着くようにも思っています。

秋山さんにお伺いしたいのは、私の婚約のタイミングはアメリカのスタンダードでも早過ぎるでしょうか。そして秋山さんが私の立場だったら彼を信頼して結婚するでしょうか。 それとも過去の浮気を考慮して、踏み止まるでしょうか。
もし彼を信頼できるとしたら、どうやって日本の家族や友達を安心させるのが良いでしょうか。 是非アドバイスをお願いします。
これからもお身体に気を付けて頑張って下さい。

- E -


結婚願望を支配している感情は・・・


アメリカでは、出会って2年して結婚するカップルが最も幸福度と結婚期間が長いというデータが出ています。 この”出会い”が 知り合った時期を意味するのか、交際のスタートを意味するかは不明ですが、その2年の間に一緒に暮らし始めるケースも少なくないようです。 データ的な見地から言えば、出会ってから婚約までが短いカップル、婚約期間が長いカップルは結婚まで行きつかない、もしくは離婚する確率が非常に高くなっているのは事実です。
Eさんはグリーンカードをお持ちでいらしたので、アメリカ生活はこれが初めてではないかと思いますが、 過去3年半のアメリカ生活のうちの2年近くがパンデミックで 通常の社交生活が無かった訳ですから、 その状況から 知り合って7ヵ月のアメリカ人と婚約というのは かなりスピーディーで、かつ珍しいエンゲージメントです。
もしこれが結婚によるグリーンカード取得を狙う 移民からアメリカ人へのプロポーズであれば逆に納得できます。ですがルックスが良く、モテると思しきバツイチのアメリカ人男性が アメリカでの人脈が少なく、言語やカルチャーの壁があると思しき日本人女性に こんなに早くプロポーズする理由は、例えEさんが絶世の美女であったとしても 私には正直なところ理解できません。

以前もこのコラムに書いたことがありますが、アメリカは日本のように浮気に寛容なカルチャーではありませんし、キリスト教のモラルが強い社会ですので 夫が浮気をした場合、常習犯でない限りは 離婚を回避して、相手の女性だけを悪者にして夫婦が元の鞘に戻るケースが非常に多いのです。 離婚に至るケースでは 夫が浮気相手と結ばれるのが通常で、Eさんの婚約者のように離婚をして、浮気相手との関係も終わっているというケースは非常に珍しいと言わなければなりません。 もちろんこれは何年前の浮気と離婚かにもよるかと思いますが、離婚の原因になった不倫相手とも既に別れて、今度はEさんにプロポーズというのは かなりのハイペースです。

Eさんは離婚の際に元夫と浮気相手から慰謝料を受け取られたかもしれませんが、それでも離婚後に「日本を暫く離れたい」という理由で渡米されて、 こちらのでお仕事についての記載がありませんでしたが、以来3年半をアメリカで暮らしていらしたことからお察しして、経済的にとても恵まれている印象を受けました。 婚約者についてもお仕事の記載がありませんでしたが、Eさんがスピード婚約をして、日本のご家族やお友達に紹介するのを心待ちにするような男性ですので、 高級車に乗って、ブランド物を身につけているかもしれませんし、多額の財産があることを匂わせているかもしれません。
そんな男性の場合、しっかり関係が固まって もう自分と結婚するしかないという状況に持ち込んでから、 幸せな結婚をするための一時的な借金の肩代わり、もしくは海外出張中に大事故に遭ってしまった入院費と事故の示談金というような名目で大金を振り込ませて、突然消えてしまうというような犯罪は かなり身近なレベルで起こっているのです。
誤解しないで頂きたいのは、私はEさんの婚約者が詐欺師だと言っている訳ではありません。ですが不自然なほどのスピード婚約、 先方が 元夫と友人の浮気が原因の離婚で Eさんのプライドが傷付いたことを熟知している状況などを考えると、 この先 彼のために何等かの大金を支払う、もしくは立て替える状況になった場合には犯罪だと疑うべきだと考えます。
Eさんは 「彼が酷い人だったら、BBQパーティーで周囲が自分達を盛んにくっつけようとはしなかった筈」と書いていらしたのですが、 その場に居た方達とて、果たしてどの程度 婚約者のことを知っているのでしょうか。 パーティーでシングルの男女が仲良く会話をしていれば、周囲がくっつけようとするのはごくごく自然の成り行きです。 人間性まで考慮した行動ではありません。 見方を変えれば、そんなことを相手の人間性の指針にしなければならないほど Eさんは婚約者について何も知らないということなのです。

まずは プライベート・アイ(私立探偵)を雇うなどして婚約者について、相手の言い分以外からも経済状態から精神状態に至るまで、いろいろな事を知るべきだと思います。 そもそも結婚は幸せな人生のためのパートナーシップなのですから、自分と相手の将来、価値観、相手との信頼関係など 浮気の心配以外に、考慮すべきことが沢山あるはずです。あまりに性急な婚約のために そんな大切な部分がすっかり疎かになっていることを ここで頭を冷やして悟るべきなのです。

浮気をする人のキャラクターは…

私は必ずご相談文を2回読み返してからアドバイスを書かせて頂いていますが、 2度目に読み返した時に頭をよぎったのが、 日本特有の「勝ち組」、「負け組」というどうでもよい価値観、 もっと率直に言えば 人生を間違うためにあるような価値観を アメリカに来てからもEさんが引きずっていらして、「再び勝ち組に返り咲きたい」的な願望に駆られていらっしゃるのでは?という思いでした。 失礼ついでに申し上げてしまうと、今のEさんの心理状態は そんな社会が押し付ける不必要な勝ち負けの概念、そして元夫と浮気相手に対して抱く「悔しい」、「侮辱された」というお気持ちに占領されてしまっているように感じられてなりません。 だからこそ自分にとっての本当の幸せを度外視して、周囲にアピールできる幸せ、浮気した夫とその相手を見返して優越感に浸れる幸せを求める気持ちが強いように見受けられます。
実際に「悔しさ」は、人間にとって最も払拭が難しい感情です。 悔しさとは 侮辱、屈辱、裏切り、蔑みによってプライドを傷つけられ、同時に味わう敗北感から 怒りと共に沸き上がって来る最も激しい感情です。 私は血の通った人間である限り、自分に悔しい思いをさせた相手を許す必要など無いと思っていますし、相手を許して、悔しさを乗り越えることが出来なかったとしても人間は幸せになれるとも考えています。
どんなに幸福で恵まれた人でも、深く思い返せば悔し涙が出るような経験は必ずあるのです。それが人間の深みというものですし、何でも簡単に許したり、忘れたり出来るような執着心の無さでは 目標を達成したり、信念を貫くといった人生のサクセスに通じる行動は不可能です。
Eさんには どうでもよい価値観の中で悔しい思いをさせた人間に勝とうとするのではなく、その悔しさを糧に自分の人生を全く違う形で切り開くことを考えて頂きたいと思います。 せっかくアメリカに住んでいらっしゃるのですから、自分を苦しめる日本の勝ち負けの概念からご自身を解き放って、本当の幸せを目指すべきなのです。

ところでご相談文の中で、Eさんは「さすがにDVの過去があったら私も考えますが…」と書いて下さったのですが、 ドメスティック・ヴァイオレンスと浮気では、どちらが人間性に深く根付く行為かと言えば浮気だそうです。 DVは伴侶やパートナーが違うタイプに変わった途端にピタリと止まる人は決して少なくないようです。 しかし浮気心は相手や状況が変わっても、伴侶やパートナーが浮気されないように努力をしようと、収まったり、治ったりすることは無いようです。
浮気をする人物というのは、男性でも女性でも 以下のような人間性や心理を持っています。

これらを総合すると 浮気をする人というのは身勝手で浅はかな薄情者で、歪んだ価値観を持っているということになりますが、 これはまさに浮気をされた側が語る浮気者のキャラクターに他なりません。Eさんも離婚時には元夫のことをそのように考えられたのと思います。
浮気をされたくなければ、浮気をしない人と結婚するしかありません。努力をしても変えられない、止められないのが浮気性ですので、軽視は禁物です。 アインシュタインの語録に「愚かさとは同じことを何度も繰り返しては、違う結果を期待すること」というものがありますが、 「今度は大丈夫」、「次はそうならない」、「私となら大丈夫」という思い込みは根拠の無い過信でしかありません。
人生はステップアップをしていくべきものですので、経験から学んだことを生かして、同じ間違いを繰り返かえさないことが 幸せへ確実な近道と言えるのです。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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