Apr. 13 〜 Apr. 19 2020

”My NYC Lockdown Life4 & Stress”
NYC ロックダウン・ライフ 4 & ストレス


今週土曜日の時点で、アメリカのコロナウィルス感染者は74万人を超え、死者数は3万9000人以上。 木曜には新たに520万人が失業保険を申請したことが伝えられ、過去4週間の米国失業者総数は2,200万人。 失業率は概算で13.5%と言われるけれど、未だ失業保険を申請出来ない人々、 ファーロフ(給与支払い停止)を含めると17%とも言われ、過去10年を掛けて持ち直した失業率を帳消しにした計算になっているのだった。
従業員500人以下の中小企業をサポートするために政府が設けた3500億ドルのペイロール・プロテクション・ローンは 僅か13日で底をつき、政府はプログラムのサクセスを強調しているものの、 本当にローンが必要な小規模ビジネスの97%以上が審査で落ちたり、申請手続きさえ出来ない状況。 そうなってしまうのはペイロール・プロテクション・ローンが 全くお金に困っていないヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンド、 もしくはハーバード大学のように税金さえ払う必要が無く、2019年に寄付だけで409億ドルを集めた機関によって利用され、 それらに対して多額のローンがあっさり認められてしまうため。 ペイロール・プロテクション・ローンは ある一定期間 従業員をレイオフしなければ、 返済の必要が無い ”Forgivable Loan / フォーギバブル・ローン”。事実上の資金提供で、 その殆どが本来の目的とは無関係の企業に使い果たされてしまっているのだった。




株式市場では今週水曜にネットフリックスの株価が史上最高値を記録。 企業価値が1870億ドルとなって ディズニーを抜いているけれど、 アメリカでは過去に無いレベルで国民がビデオ・ストリーミングのビンジ・ウォッチングをしているのが現在。 中でも圧倒的な強さを見せるのがネットフリックスで、 2位のアマゾン・プライム・ビデオ、3位のHuluの合計よりも多い42.32%のビューワー・シェアを誇っているのだった。
その視聴は自宅勤務が増えた3月半ば以降、ピークの時間帯が正午から午後2時、 すなわちランチ・タイムになっており、56%のビューワーが既に観たコンテンツを再び視聴する傾向にあるとのこと。 また60%が「友人との話題についていくために人気の高いコンテンツを観る」と回答し、 約30%が 「観ていない番組でも話を合わせるために 観たとウソをつく」そうで、 ソーシャル・ディスタンシングの状況下でもソーシャル・プレッシャーは健在。

今週からニューヨークでは パブリック・スペースでのマスクの着用が市民に義務付けられたけれど、 私が住むビル内の公共エリアもパブリック・スペースと見なされるのでマスクの着用が必要。エレベーターは2週間前から1度に2人しか乗ることが許されず、 その2人が共にドアに面して立つというルールまで設けられている有り様。
でも私のビルは未だ良い方で、Co-op(住民自治ビルディング)になると 引っ越しを一切禁じられて、物件を売却したばかりのオーナーが新しい物件に移ることも、 売却相手が引っ越してくることも出来ない事態が生じたり、親戚や家族を含む全てのヴィジターの禁止令、セキュリティ・ガードの数を減らしていることを理由に夜間外出の時間制限を設けたり、 オンライン・ショッピングで届く荷物が増え過ぎたことを理由に 1週間に受け取れる荷物の個数制限をするビルディングさえあり、まるで大学の寮のような規律の厳しさ。 外に出ても、家に居てもルールに縛られる共産圏のような生活に不満を訴える人々が増えているのだった。




これまでロックダウン中にコミュニケートした私の友人達が軒並み語っていたのは、家に居て運動量が少ないのに 以前の生活より疲れ易い、エネルギー不足、もしくは無気力であるということ。
その原因になっているのは外出による気分転換が出来ないメリハリのない生活に加えて、アメリカ国民の77%が訴えているのが「夜眠れない」、「悪夢を見る」というような 睡眠障害。 退屈や不安を食べ物やアルコールで紛らすことから、体重が増えて身体がダルくなっている人も居るけれど、 感染防止の呼びかけに振り回されている人は 買ってきた食糧や家の中の殺菌消毒に追われ、事あるごとにハンドサニタイザーを使用するのも疲れの原因。 でも食糧パッケージの消毒については、これまでさんざんそれを呼び掛けてきたFDAが今週末になって その必要性を撤回したばかり。 そんな状況なので人々の間で高まっているのがストレスで、現在増えているのがストレスが原因で肌が痒くなる”ストレス・イッチ” や”ストレス・アクネ”などの 肌の症状なのだった。

そんなロックダウン期間を健康的かつ ミニマム・ストレスで乗り切るカギと言われるのが生活ルーティーンの確立。 自宅勤務になった途端に それまでの生活ペースが崩れて、 起床・就寝時間が変わったり、本来の仕事時間に映画を観たり、夕方からワインを飲み始める等、 生活がイレギュラー・アクティビティの連続になってしまう人は多いけれど、 ルーティーンを確立しない限りは 無意識のうちに時間を取られてしまうが 「何時、何をするか」の思考、迷い、躊躇、決断という エネルギー消耗を伴うプロセス。 特にコロナウィルス感染拡大以来、頻繁にニュースをチェックする癖がついた人は ニュースによって様々なプロセスが中断されるので、仕事でも家事でも益々効率が落ちてしまうのがありがちなシナリオ。 なのでニュースのチェックも朝晩1回ずつにするなど、生活ルーティーンに組み込む方がストレスや無駄なエネルギー消耗を回避することが出来るのだった。




アメリカでは現時点で50州中 45州が外出自粛を含む何らかのシャットダウン状態であるけれど、 再選に向けて1日も早く株価と失業率の持ち直し、及び選挙キャンペーンの再開に動きたいトランプ政権は 「アメリカは既に感染はピークを迎えた」として今週木曜に シャットダウン解除のための三段階プラン発表。 そんなトランプ氏を支持する保守系右派の呼び掛けで、今週複数の州で行われたのが シャットダウン解除を求めるデモ(写真上左、中央)。 そしてそのデモを煽るツイートを 「LIBERATE Minnesota (ミネソタ解放)」、「LIBERATE Michigan (ミシガン解放)」と民主党が知事の州を選んで展開したのがトランプ氏。
そもそもFOXニュースに代表される トランプ支持メディアでは 最初からコロナウィルスを「デマ」、「トランプ弾劾の手段」と 捉える姿勢を貫いおり、「コロナウィルスで命が失われても ビジネスをシャットダウンするべきでなはない」と呼び掛けてきたのはアメリカでは周知の事実。 その結果、既に政治的に真二つに分断されていたアメリカの世論が コロナウィルスにおいても全く同じ形で真二つに分断されているのが現時点。 トランプ支持派は 「外出禁止令やビジネスのシャットダウンは、州政府による市民生活への不必要かつ憲法に違反する介入」と抗議する一方で、 民主党支持者及びリベラル派は「感染拡大防止のためには州や市の規制に従うのはやむを得ない」という姿勢。

とは言ってもニューヨークやニュージャージーなどのリベラル派が多い州でも 家にこもって行動が規制された状態が早1ヵ月続いて 人々のストレスが高まっているのに加えて、 収入の心配から「1日も早く仕事に戻りたい」と考える人々が多いのは紛れもない事実。 そのニューヨークでは高額医療費の支払いを恐れる人々が病院に行かないので、 新たな入院者は減っているものの、 死者数は未だに連日400人、500人を記録。ロックダウンの効果が実感出来ないまま マスク着用を義務付けられ、週末にはデブラジオ市長が「ソーシャル・ディスタンシングが守られていない場所を写真やテキスト・メッセージで市にレポートするように」と ナチス政権下のユダヤ人密告のような呼び掛けをしたことに 嫌気が差している市民は非常に多いのだった。
土曜日には フロリダ州がシャットダウン解除へのステップとして ジャクソンビルのビーチを解禁しているけれど、 同じ土曜日にはフロリダ州の1日の感染者数が過去最多を更新しているので、これは感染拡大中を承知の上での措置。 その途端に大勢の人々がビーチに繰り出した様子(写真上右)が報じられたけれど、 そもそもアメリカの国民性を考えるとスポーツの試合やコンサートが無くなり、バーやレストランにも出かけられず、 友達にも会えない状況を コロナウィルスの感染恐怖だけを振りかざして 国民に長く押し付けるのは不可能と言えるタスク。 なのでロックダウン、シャットダウンが長引けば長引くほど、今後は多くの規制を押し付ける側への反発が高まっても不思議ではないのだった。

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。


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