Why Women Are Wearing Sold Out Pink Suits on Instagram?

突如インスタグラムでセレブを含む女性達が着用し始めた
ヴィヴィッド・ピンクの完売スーツのメッセージとは?

Published on 10/23/2020


インスタグラムで女性セレブリティや実業家をフォローしていれば、10月以降誰もが気付いたはずと言われたのが、ヴィヴィッドなピンクのパンツスーツを着用した フォトが数多く登場していたこと。 これは女性のエンパワーメントの新しいキャンペーン #AmbitionSuitsYou (アンビション・スーツ・ユー/野心は貴女に合っています)の一環。
10月12日にNBCで放映されたトランプ大統領のタウンホール・ミーティングでは、シャープな質問とファクト・チェックで大統領と渡り合った女性キャスター、 サヴァンナ・ゴスリー(写真下右側)がやはりヴィヴィッドなピンクのパンツ・スーツを着用していたことから、飛び交ったのが彼女がこのムーブメントをサポートして、”アンビション・スーツ” を着用していたとの憶測。 でも実際には彼女のスーツは2年前から愛用していたもので、政治的意図で着用した訳ではないことをNBCがあえて説明しなければならなかったほど。
彼女よりもヴィヴィッドなピンクのスーツをアメリカでパワー・スーツに替えたオリジナルと言われるのは、2018年に史上最年少でNYから下院議員として選出された アレクザンドリア・オカジオ・コルテス(写真下左側)。彼女のワードローブはレッド、コバルト・ブルー、ヴィヴィッドなピンク、ホワイトと、 男性議員達のダークスーツに混じって際立つカラーをあえて選んでいることで知られるもの。 今や民主党の新世代の看板スターになった彼女は、ヴォーグ・ドットコムでメークのチュートリアルを披露するなど、女性が美しさやファッションを追求する姿勢がその野心やパワーの一部であることを 公に主張している新しい女性像。
その一方でトランプ政権誕生直後にワシントンDC、及び全米各都市で数百万人が参加したミリオン・ウィメン・マーチで女性達が被っていたのが ヴィヴィッドなピンクの”プッシー・ハット”なるもの。 そんな背景もあって、ヴィヴィッドなピンクが女性のエンパワーメントを象徴するカラーという解釈がどんどん浸透してきたのが昨今なのだった。






#AmbitionSuitsYouのキャンペーンがスタートしてからというもの、 女優のケリー・ワシントン、マンディ・ムーア、ゾーイ・サルダナアメリカ・フェレラ、ソフィア・ブッシュ、メリッサ・トーメ、ビジー・フィリップス、デボラ・メッシング、コメディアンで民主党上院院内総務、チャック・シューマーの従妹であるエイミー・シューマー、 ブラック・ライブス・マターの運動の共同設立者のアリシア・ガルザ、モデルのブルックリン・デッカー、モデル兼アントレプレナーのアシュレー・グラハム、 フィギュア・スケートのミシェル・クワン等、数えきれないほどのセレブリティとリアリティTVスター、インフルエンサー達がピンク・スーツでソーシャル・メディア上に登場しているけれど、 このキャンペーンは ヒラリー・クリントンやカマラ・ハリスのお気に入りとして知られるブランド Argent/アージェントと、女性の権利とエンパワーメントをプロモートする団体、 Supermajority / スーパーマジョリティのコラボレーション。
スーパーマジョリティは世界人口でも、アメリカの人口でも、有権者数でも過半数以上のマジョリティであるだけでなく、今やアメリカにおける大学進学率でも マジョリティを占める女性が未だにマイノリティ扱いをされていることに着眼。 その原因となっている社会とビジネス界における女性に対する蔑視、差別、偏見等に取り組み、人種や年齢を超えた女性のサポート・ネットワークの構築を目的に誕生したオーガニゼーション。
女性の立場や権利は一見時代と共に改善されているように見えるものの、実際にはパンデミック以降は女性の方が男性より失業率が遥かに高く、 男性オーナーの中小企業の方が、政府からの援助ローンが受け易かったことが伝えられ、 加えて新たな最高裁判事候補に超保守派のエイミー・コーニー・バレットが選ばれれば、 女性が妊娠中絶の権利を失うのは時間の問題。そんな女性達の危機感と、歴史上最も重要と言われる大統領選挙前という時期が このムーブメントを大きく盛り上げているのだった。






ではピンクのスーツ自体が何を意味しているかと言えば、#AmbitionSuitsYou (アンビション・スーツ・ユー/野心は貴女に合っています)のメッセージ通り、 女性達が野心を抱いて、社会進出、起業をもっと盛んに行うことを奨励すると共に、 それまでの「女性の野心は見苦しい」、「アグレッシブで女性らしくない」といった保守的な女性観を払拭して、女性が自分の意志通りに生きられる社会のプロモート。
その一方で今やキャリア・ウェアとして当たり前のパンツ・スーツは、1990年代初頭にコーポレート・オフィスで着用すれば、それだけで偏見を持たれたり、 「女性らしくない」と批判されていたもので、当時の女性のキュリア・ユニフォームと言えば膝丈スカートのスーツ。 パンツ・スーツが女性のパワー・ウェアに替わったのは女性の社会進出、それも企業のハイポジションへの進出が顕著になったのと同じタイミング。
その一方でカマラ・ハリスは副大統領候補になってからの遊説中に、パワー・スーツに合わせてコンバースのチャックテーラーを履いて話題になっており、 スカートスーツやハイヒール・パンプス等、女性の行動力、引いては健康の妨げになるものからの解放もここへ来て注目されるアジェンダの1つ。
それをココ・シャネルが女性をコルセットから解放した時代と比較する声も聞かれるけれど、 第一次大戦中に労働者層の女性のみが着用していたパンツ・ルックをハイソサエティに広めたのはココ・シャネル。 加えてファッション・デザイナーとして初めて伸縮性のあるジャージー素材を用い、身体の動きを妨げないスタイルをクリエイトしたのもココ・シャネルなのだった。






#AmbitionSuitsYouのムーブメントに特に共鳴し、サポートを惜しまないのは女児の親達で、それは自分の娘の能力を 女性だからと言って軽視して欲しくないと考える父親たちにとっても同様。
スーパーマジョリティでは、#AmbitionSuitsYouのコレクションの一環として、活動基金集めを兼ねたTシャツ&スウェット・シャツのラインを発表。 多くのセレブがヴィヴィッドなピンクのアンビション・スーツのインナーとして着用していることで注目されたTシャツのメッセージは、 「Super Woman、Super Hero、Super Star、Super Power、Super Majority / スーパーウーマン、スーパーヒーロー、スーパースター、スーパーパワー、スーパーマジョリティ」というもので、 これもピンクスーツと共にヴァイラルになっているのが現在。
アージェントが手掛けたスーツもブレザー250ドル、パンツが150ドルというお値段で、初回生産分が完売。 追加生産分も選挙前の社会意識が高まっている風潮、ソーシャル・メディアでトレンディングになったことを受けて、 急ピッチで売れていることが伝えられているのだった。

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