Feb. Week 2, 2016
”The Derek Zoolander Center”
ウエスト・ヴィレッジに登場したポップアップ
デレク・ズーランダー・センター



今週金曜日、2月12日の公開を控えて、今週 猛然とプロモーションが行われていたのが「Zoolander 2 / ズーランダー2」。
「ズーランダー」は、ベン・スティラー扮する 男性スーパーモデル、デレク・ズーランダーと 彼のライバル・モデル、ハンセル(オーウェン・ウィルソン)が、ファッション業界の陰謀による マレーシアの首相暗殺計画を阻止するコメディで、公開されたのは2001年のこと。
当時の興行成績は惨憺たるものであったけれど、その後ファッション業界を中心に カルト的な人気を博してきたのが「ズーランダー」。 主演の2人以外にも、ウィル・ファーレル、デヴィッド・デュキャブニー、ベン・スティラーの父親でもあるジェリー・スティラー、 ジョン・ヴォイト、ミラ・ジョヴォヴィッチ、当時は全く無名だったジェニファー・アニストンの夫、ジャスティン・セロー、、ヴィンス・ヴォーン といったキャストに加えて、レニー・クラヴィッツ、グウェン・ステファニ、カール・ラガーフェルド、ビリー・ゼイン、ドナテラ・ヴェルサーチ、 トム・フォード、トミー・ヒルフィガー、ヴィクトリア・ベッカム、ドナルド・トランプ夫妻、クラウディア・シファー、ハイディ・クルム、 ナタリー・ポートマン、マーク・ランソン、ワイノナ・ライダー、パリス・ヒルトンなど、 数え切れないセレブリティが本人役で登場。
私もつい最近同作品をダウンロードして見直したけれど、驚くほど豪華なラインナップで、特に1月に死去したデヴィッド・ボウイが ウォークオフ(ランウェイ・ウォーク・バトル)のジャッジとして出てきたシーンは、 とても新鮮かつ、懐かしく感じられたのだった。




その「ズーランダー」の続編が15年ぶりに公開されるニュースが流れたのは、2015年3月にパリで行われた ヴァレンティノの2015年秋冬プレタポルテ・コレクションでのこと。
突如、ベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンが、ズーランダー&ハンセルの姿でヴァレンティノのモデルとして ランウェイに登場した際(写真上左)には、フロント・ローのファッション・エディターからセレブリティ、ブロガーまでもが 熱狂的にスマホで彼らの姿を撮影していたけれど、ズーランダーのシグニチャー・フェイスである 「ブルー・スティール(写真上右)」は、一般の人々のセルフィーの表情として定着しているのはもちろん、 ファッション撮影の現場でも モデルに顔の表情の指示を与える使われる言葉。 その知名度は映画公開から15年が経過した今でも衰えることは無いのだった。





「ズーランダー2」の公開は、ちょうどニューヨークのファッション・ウィークと重なっているとあり、 2月9日のNYプレミアはファッション・イベントと併せて行われたけれど、それと同時にオープンしたのがデレク・ズーランダー・センター。 デレク・ズーランダー・センターの正式名称は 「The Derek Zoolander Center for People Who Don't Age Good」、 すなわち 「上手く年齢を重ねていない人のためのデレク・ズーランダー・センター」で、 この名称が一作目の「ズーランダー」に登場した「The Derek Zoolander Center For Kids Who Can't Read Good And Wanna Learn To Do Other Stuff Good Too」(きちんと文字が読めない子供、それ以外のことも良く勉強したい子供のためのデレク・ズーランダー・センター) のパロディであるのは映画を観た人なら容易に想像がつくもの。
2月13日までの期間限定のポップアップとして、8番街&14丁目のコーナーにオープンした 同センターは スキンケアのキールズとタイアップした プロモーショナル企画になっているのだった。





センターの中は、男性モデルのナビゲートで閲覧できるようになっていているけれど、 基本的にはわざとふざけた エイジング&若さのスローガンをジョークとして謳って、 来場者にキールズのプロダクトのトライアルをしてもらうのが同センターのコンセプト。
若い匂いと老臭を比べたり、PTNR(Pants-To-Nipples Ratio / パンツから乳首までの長さの割合)で エイジングの度合いをチェックしたかと思えば(これは乳首からパンツまでの長さが長い方が若いというセオリー)、 第一作目の「ズーランダー」でデヴィッド・デュキャヴニーが扮したハンド・モデルにちなんで、 キールズのハンドクリームでマッサージを受けた後、手にコスチュームを付けて ランウェイを指で歩かせるなど、 映画の中で、ズーランダーが何度も口にする ”Ridiculous(リディキュラス:馬鹿げているという意味、 褒め言葉のスラングにもなっている言葉)”という形容詞をそのまま具現化したような企画になっているのだった。
これら以外にも、リラクセーションのコーナーや、セルフィー・フォトブースなども設置されている他、 当然のことながら キールズのズーランダー・リミテッド・エディションのプロダクトも販売されているのが同センター。

残念ながら、映画「ズーランダー2」の評判は、”脚本が稚拙”という指摘が多く、あまり芳しいものではないけれど、 これを機会に1作目の「ズーランダー」を観てから 同センターを訪れて、リディキュラスなムードに浸るのは悪くないと思うのだった。

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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