Feb. Week 3, 2016
”LIFT Floating Therapy ”
リフト:フローティング・セラピー
今年に入ってから、私の友人の間でちょっとした話題になっていたの12月にブルックリンのキャロル・ガーデンに
オープンした ”LIFT / リフト”。
リフトとは、今アメリカでブームが盛り上がりつつある フロート・セラピーのスパ。
フロート・セラピーとは、死海同様の塩分がたっぷり含まれた水に浮きながら
身体と心をリラックスさせるもので、
メディテーションのエクスパートのみが辿り着ける 無心の状態、すなわち何も考えることなく、
心を空っぽにして、精神状態をリセット出来るコンディションに 誰もが辿り着くことが 出来る唯一の手段と言われているのだった。
2011年には全米に85軒しかなかった フロート・セラピーのスパは、現時点で267軒にまで増えているとのことだけれど、
中でもブルックリンのリフトは 東海岸で最大の施設。
モダンでシンプルなスパには、ポッドとよばれるフローテーション・タンクが5台設置されているほか、
タンクが苦手な人のためには”スイート”とよばれる小部屋も用意されていて、
未だオープンしたてとあって、とても清潔なファシリティ。
タオルやソープなども上質なものが用意されているのだった。
1つのポッドの中には、250ガロンのリサイクルド・ウォーターが入っていて、そこに454キロの
マリーン・ソルトを入れて 死海と同じ濃度の塩分を実現しているけれど、
これは 泳げない人でも簡単に浮いてしまう状態。
水の温度は体温と同じにセットされているので、水に浸かっているという違和感無しに
無重力空間に浮いているリラクセーション気分が味わえるというのがコンセプト。
もちろん 切り傷などがあったら、悲鳴を上げるような塩分濃度なので、
水に入る前に傷にアプライするワセリン、音をシャットアウトする目的と、水が耳に入らないようにするための耳栓などは、
リフト側からサプライされるのだった。
注意事項としては、まずポッドに入る前にシャワーを浴びること、そしてその後 顔の水気をしっかり拭き取ること。
そうでないとフロート・セラピーの最中、顔にしずくが垂れてきて それを手で拭き取ろうとすると、
とんでもなく塩分の強い水が口や目に入って、リラクセーションどころかパニックになってしまうケースがあるとのこと。
セッションは1時間が99ドル、初体験者のためには30分で65ドルのオプションがあるけれど、
私はかつてハンギング・ヨガをやって気分が悪くなった経験以来、
慣れないことは短時間からトライする主義。なので30分コースを選んだけれど、
結果から言えばそれは大正解。
それというのも 私の場合、フロートセラピーが 水に浮いているというより、寝心地の悪い
巨大な風船の上に横になっているような経験で、あまりリラックスできなかっため。
やっとリラックスができたのは、セッションが終わってホッとした時なのだった。
一緒に出かけた友達は、1時間のコースを選んだので、私はラウンジでお茶を飲みながら待っていたけれど、
出てきた友達も、途中まではリラックスできたけれど、やはり1時間は長かったという感想なのだった。
このストーリーを別の友達にフィードバックしたところ、
雑誌に掲載されていたリフトの記事に、自宅の浴槽でも同じ体験が出来ることが書いてあったそうで、
それによれば自宅の浴槽にカップ6〜10杯のエプソン・ソルトを加えるだけとのこと。
これはかなりの量の塩であるけれど、ブルックリンまで出かけて65ドルや99ドルを使うよりは遥かに安価なので、
トライしてみたところ、私は自宅のバスタブで 自分の体温より少し高めのお湯に長々と浸かっている方が
遥かにリラックスできて、エクササイズの後の筋肉の疲れも取れたような気がしたのだった。
なので、フロート・セラピー自体は悪くないと思うし、人によってはリフトのポッドの中で、
無心の境地に達するケースもあるようなので、まずは深く考えずに トライしてみるのが一番だと思うのだった。
LIFT
320 Court St. 2nd Fl Brooklyn, NY 11231
執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に
ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。