Mar. Week 2, 2015
” New Kind of Bling! ”
2015年秋の究極のステータス・シンボル!
ドルチェ&ガッバーナのブリン・ヘッドフォン



今週は、月曜に話題沸騰のアップル・ウォッチがプレスへのお披露目となったけれど、 メディアや人々を驚かせたのが、そのアップル・ウォッチのステータス・ヴァージョンで、 18K ゴールドを用いた ”The Edition / ジ・エディション” が何と100万円もするということ。
世の中には100万円を超える時計はいくらでもあるけれど、一流ブランドの100万円の時計に比べて、遥かに安っぽく見えるのがアップル・ウォッチのエディション。 このため、果たしてそのお値段を払う人が どの程度居るのか?が疑問視されていたのだった。
というのも、このお値段を時計に払える人というのは 見るからに高そうなものを好む人々。 時に悪趣味なまでにデコラティブなものを遊び感覚で身につけるのが彼らにとってのステータス。 その意味で、アップル・ウォッチは そんなリッチ・ピープルが求めるBling Bling感が極めて控えめになっているのだった。

そのアップルよりも ターゲットとする客層は比べ物にならないほど少ないものの、カスタマーの平均年間所得が遥かに高いのがドルチェ&ガッバーナ。 そのドルチェ&ガッバーナが、2週間ほど前に行われた 2015年秋ミラノ・コレクションのランウェイでお披露目したのが、 究極のステータス・シンボル・ヘッドフォン。
ヘッドフォンであり、イヤマフであり、デコラティブなヘッド・バンドであり、イヤリングの役割も果たすのがこのヘッドギアで、 機能的かどうかは別として、マルチ・ファンクションではあるのだった。








ヘッドフォンは、DJという職業がクールだと見なされるようになってからというもの、ストリート・アクセサリーとして大きくカムバックしたのは 周知の事実。 中でも、ラッパーのドクター・ドレがスタートしたブランド、Beats / ビーツは、2014年にアップル社が何と30億ドルで買収した大人気ブランド。 多くのセレブリティやアスリートが愛用するとあって、ドルチェ&ガッバーナが手がける前に、既にステータス・ヴァージョンを製作していて、 セレブDJがそれをつけてスピンする様子は、ナイトシーンでは珍しくない光景。
写真下左側は、スワロフスキー・クリスタルをあしらった”クリスタルロック”というモデル、 写真右で、ナオミ・キャンベルがつけているのは、24Kゴールドを用いたリミテッド・エディション。 でもそのお値段は、それぞれ1800ドル、2500ドルで、ドルチェ&ガッバーナの究極のブリン・バージョンに比べると、 遥かに良心的な価格になっているのだった。







ドルチェ&ガッバーナのヘッドフォンは、現在、モーダ・オペランディのウェブサイトで、 先行予約のがスタートしたばかりであるけれど、そのお値段は何と課税前で約7,100ドルで、 日本円だと86万円。
このブリン・ヘッドフォンは、写真上のようにクロコダイルのアンサンブル、ペルージャン・ラムのカクテル・ドレスやコートといった 明らかにヘッドフォンより高額なアウトフィットや、そこまで高額でないアウトフィットにコーディネートされているけれど、 実際にこれをオーダーするようなスーパーリッチな人々は、 ジーンズにTシャツ&ジャケット、スニーカーというような アウトフィットにこのヘッドフォンをつけるのが通常。
とは言っても、この手のファッショニスタは 一見カジュアルなアウトフィットでも、 そのジーンズが600ドル、Tシャツが800ドル、ジャケットが5000ドル、スニーカーが2400ドルというような スタイルをしているもの。 だからこそ、同じ機能のヘッドフォンが100ドル以下で手に入るのを承知で、わざわざドルチェ&ガッバーナのブリン・バージョンを購入するわけで、 昨今のファッションにおいては、カジュアルにどれだけお金をかけているかで、どれだけリッチかが分かると言っても過言ではないのだった。

本音を言えば ここまでやって、これだけ払わせるのなら、ワイヤレスにして欲しかったという気がしなくもないけれど、 もしコードがついていなかったら、ランウェイ上では ヘッドバンドやティアラと間違えられていたかもしれないのもまた事実。
加えて、コードもレトロ・ラグジュアリーのエッセンスと解釈するのであれば、それはそれで納得なのだった。

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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