June. Week 1, 2017
Best Takeout Spot in NY!
"Daily Provision"
ユニオン・スクエア・カフェがオープンしたNYのベスト・テイクアウト・スポット、
連日クルーラーが完売する”デイリー・プロヴィジョン”
2016年12月ニューヨークの長寿人気のレストラン、ユニオン・スクエア・カフェが
そのロケーションをパーク・アベニューの19丁目のコーナーに移してリオープンした際に、
アナウンスされたのが、レストランに隣接してテイクアウト・ショップがオープンするというニュース。
そしてこの春オープンしたのがここにご紹介するデイリー・プロビジョン。
ユニオン・スクエア・カフェは、新店舗に移転したのをきっかけにパンを自家製にしており、
デイリー・プロビジョンはユニオン・スクエア・カフェのペストリー・シェフが手掛けるパンやそれを用いたサンドウィッチ、スウィーツ等が
グルメ・コーヒーと共に味わえるスポット。
同店はコーヒー・ショップであり、ベーカリーであり、テイクアウト・ショップであり、カジュアルなカフェでもあり、
ブレックファストから、ランチ、ディナー・メニューまで手掛けていて、
早くもニューヨーカーに大人気のスポットになっているのだった。
シンプルな店内では、メニューを見ながら店舗の中央にあるデスクでオーダーと支払いを済ませて、
カウンターでピックアップするというシステム。
デイリー・プロビジョンは、昨今ニューヨークで増えているクレジット・カードによる支払いのみのスポット。
同様のカード・オンリーのレストランやカフェの中には、どんなに少額のテイクアウトでも
チップを請求する店が少なくないけれど、
同店はチップを受け取らないポリシーになっているので、提示された金額のみがチャージされるのだった。
営業時間は、平日が午前7時から午後9時まで、週末が午前8時から午後9時までで、
朝食メニューがサーヴィングされるの午前11時までで、ランチ・メニューがサーヴィングされるのは午前11時半からで、
ディナー・メニューがサーヴィングされるのは午後4時からで、
パンやペストリー、クッキー等のスウィーツは、ドリンクと共に一日中オーダーが可能。
ちなみに、写真下、上段右側のパティメルトはディナー・メニューの人気アイテム。パティメルトは、
言わばトーストで挟んだチーズバーガーであるけれど、これはアメリカの大衆的なダイナーの定番メニュー。
でもさすがにユニオン・スクエア・カフェのキッチンが関わっているとあってグルメにアップグレードされているのだった。
オープン以来、同店の名物になっているのはクルーラー。
これはシュークリームの生地であるパタシューを揚げたドーナツ。(写真上、上段)
ドーナツ・ショップの定番であるものの、グルメ・ベーカリーのラインナップに登場するのは極めて珍しいアイテム。
クルーラーのフレーバーは、メープル、シナモン、グレーズドの3種類で、いずれも揚げたてで店頭に並んで、
あっという間に売り切れるのは毎日のこと。
それでも1日に2回は店頭に並ぶとのことで、ドーナツ・ショップで販売されるような
渇いたテクスチャーのクルーラーしか食べたことが無い人にとっては、
「クルーラーの概念が変わる」と言われるほどの美味しさ。
その他にもユニオン・スクエア・カフェのキッチンで焼き上げられたロースト・ビーフや、ロースト・チキンを挟んだサンドウィッチや、
朝食メニューの卵を用いたサンドウィッチも人気で、ヴェジタリアンに人気が高いのはブロッコリ・メルト(写真上、下段右)が評判。
ブロッコリとチーズと独特のソースのサンドウィッチは、ヴェジタリアンでないニューヨーカーにもランチ・アイテムとして人気になっているのだった。
デイリー・プロビジョンは、パン自体も非常に優秀で、特に人気が高いのはマルチ・グレイン・ウォルナッツ(写真上、下段左)。
ローフで購入すると10ドルであるものの、同店のパンはバゲット以外はハーフ・ローフでの購入が可能。
また、ドミニク・アンセル・べーカリーで6年間クイニー・アマンを焼き続けたペストリー・シェフが
クリエイトするヴァニラ、もしくはオレンジ・フレーバーのクイニー・アマン(写真上、上段左)も人気で、お値段は4.5ドル。
クルーラーが完売した後の来店客のチョイスになっているけれど、私は5月1週目のこのコーナーでご紹介した
パティスリー・シャンソンのブラックセサミ・クイニーアマンの方がテクスチャーと味わいがリッチなので、断然こちらに軍配を上げるのだった。
もちろんコーヒーも優秀な他、サラダやシリアルなどもメニューに揃っていて、
ニューヨーカーが1日中 グルメなテイクアウト・フードを求めてやって来るのがデイリー・プロヴィジョン。
同店が位置するグラマシー・パーク・エリアからフラット・アイアン地区に掛けては、
現在優秀なベーカリーが集中する激戦区であるものの、
デイリー・プロビジョンはユニオン・スクエア・カフェのキッチンという後ろ盾があるだけに、
他店より幅広いグルメ・メニューが強みになっている印象なのだった。
Daily Provision
109 East. 19th St. , New York, New York
ウェブサイト: https://patisseriechanson.com/
執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に
ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。