Nov. Week 2, 2017
”The Most Instagramable Bakery”
”最高にインスタグラマブル&クリエイティブなスーパームーン・ベークハウス”
2017年はニューヨークのレストラン・シーンが最も退屈だったと言われる年。
以前にもこのコーナーに書いた通り、フード・トレンドが生まれたのはもっぱらインスタグラムからで、
そのせいで安価なフードに面白いトレンドが集中していたけれど、
私にとって2017年の最大の収穫は、優秀なベーカリーがマンハッタンに増えたこと。
以前CUBE New Yorkやこのコーナーでご紹介したデイリー・プロヴィジョンや、
パティスリー・シャンソンは、
パン好きの私が通い詰めるほど優秀であったし、アーティサナル・ドーナツ&コーヒー・バーの
シュガー・グレーズ・ドーナツや、グランドセントラル・マーケットにブルックリンから進出したビアン・キュイの長時間発酵のパンなど、
2017年の私は炭水化物と言えばパンやペストリーばかり食べていたように思うのだった。
そんな中、10月にオープンしたばかりのスーパームーン・ベークハウスはユニークかつ、
非常にインスタグラマブルなベーカリーとあって、既にニューヨーカーの間で大人気を博していているのだった。
サンフランシスコにオリジナル店舗があるスーパームーン・ベークハウスが位置するのはローワー・イーストサイドで、打ちっぱなしのコンクリートの壁のシンプルで細長い店内の奥がキッチン。
手前にはその日の商品のラインナップを陳列したカウンターがあって、それを観ながらオーダーをすると、
ラミネート加工のバッグやボックスに入れてくれるというスタイリッシュなプレゼンテーション。
でも同店のウリは、ドウのレイヤーが幾何学的かつ、芸術的でもあるクロワッサンと、ふかふかのドーナツのクリエイティブなアレンジ。
例えば 写真上、上段右側は ”クロフィン”とネーミングされた同店独自のクリエーションであるけれど、
これはクロワッサンとマフィンのハイブリッド・ペストリー。
クロワッサンのドウをマフィンの型に入れて焼き上げて、スタッフィングとトッピングで仕上げるという点ではカップケーキのようでもあるペストリー。
また同店のシグニチャーであるクロワッサンは、スライスするとドウが完璧なレイヤーを描いていて、形も常に完璧。
写真下、左側の真っ黒いボール状のドーナツは、やはり当店名物の”トリプル・ブラック・ドーナツ”で、
イカ墨を混ぜたブリオッシュ・ドウに 黒ゴマのカスタード・クリームをスタッフィングして、活性化したチャコール・シュガーでコーティングした
その名の通り、真っ黒のドーナツ。(写真下、右側の写真の中央がそのスライス)。
見た目が面白くてオーダーする人が多いインスタグラマブル・ドーナツであるけれど、
私は個人的には あまり好みではなかったのがこのドーナツ。
スーパームーン・ベークハウスのもう1の人気アイテムは、”バナナ・スプリット・サンデー・トワイス・ベイクド・クロワッサン”(写真上、下段)。
クロワッサンの内側は、キャラメライズしたバナナとカスタード・クリーム、チョコレート・アーモンド・クリームのレイヤーで、その名の通り2回焼き上げて仕上げる手の掛かったペストリー。
バナナ・キャラメルと、バナナチップス、ゴールド・リーフと、クリームバルブがトッピングされていて、お値段は8ドル。
常に真っ先に売り切れてしまう同店の一番人気商品。
もちろんランチタイムには内側にクリームチーズとスモークサーモンをスタッフィングしたNYクロワッサン等、
サンドウィッチ感覚で食べられるクロワッサンもメニューに加わっていて、そちらも人気を博しているのだった。
眺めていると目移りするほど、ユニークなペストリーが多いとあって、午前8時の開店前から行列している人も居るほどの人気ぶりであるけれど、
2つも食べれば血糖値が極限まで上がったのが実感出来るほど甘いものが多いので、そう何度も同店に足を運ぶことは無いと思うけれど、
味も見た目も、アイデアやプレゼンテーションも時代の流れを掴んでいるという点で、一度は訪れるべきベーカリーだと思うのだった。
Supermoon Bakehouse
120 Rivington St
New York, NY 10002
さて、先週このコーナーでご紹介したアップル・ウォッチ・バンドは、
既に沢山のオーダーを頂くヒット商品になっているけれど、同時に頂いたのが どうやってサイズの調節が出来るか?というご質問。
このバンドには 写真上のようにリンク・パーツの付属品がセットされていて、それを希望の長さに従ってプラスすることによって長さの調節が可能。
1つのリンクの長さは約1.25pで、それが4つ付いてくるので、
このリンクを加えることにより、ほぼ全てのサイズに対応出来るようになっています。
アップル・ウォッチ・バンドの詳細はこちらでご覧いただけます。
執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に
ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。