Aug. Week 1, 2019
”Pastis is Back! Finally!!"
5年ぶりにカムバックした NYのレジェンダリー・レストラン、”パスティス”


2014年2月28日にクローズした途端から、ニューヨーカーの間で再オープンが待たれていたのが、 ニューヨークで最もアイコニックなレジェンダリー・レストラン、パスティス。
1999年に 当時未だ開発中のMePa こと、ミートパッキング・ディストリクトにオープンした パスティスは、 以来15年間に渡って セレブリティを含む生粋のニューヨーカーが通い続けたスポット。 2004年に放映されたTV版の「セックス・アンド・ザ・シティ 」の最終シーズンで、ミハイル・バリシニコフ扮するアレクサンドル・ペトロフスキーと サラー・ジェシカ・パーカー扮するキャリーがパスティスでデートをしていた際、偶然 アレクサンドルのアーティスト仲間たちが食事にやって来て 「ニューヨークには1万軒ものレストランがあるけれど、何故か皆パスティスに来てしまう」と言ったのは有名なシーン。 その台詞に象徴されるように 一過性のトレンディ・レストランではなく、 ニューヨーカーの多くが何度も何度も足を運んだのがパスティスで、私自身もパスティスで何度食事をしたか分からないほど。
常連で知られたセレブリティとしては ヴォーグの編集長 アナ・ウィンター、ケイト・ハドソン、マーサ・スチュワート、クリスティ・ターリントン、マーク・ジェイコブス、サラー・ジェシカ・パーカー、 生前のフィリップ・シーモア・ホフマン(彼は2014年2月2日にドラッグの過剰摂取で死亡する2日前に、 パスティスで食事をしていたとのこと)、ダイアン・フォン・ファーステンバーグ等、近隣に暮らしていたセレブリティに加えて、 ビヨンセ、ヴィクトリア・ベッカム、シエナ・ミラー、ジュード・ロウ、 ケイト・モス、レイフ・ファイン、ブラッドリー・クーパー、ここで結婚式を挙げたリヴ・タイラー等、名前を挙げたらキリが無いほど。 そんな出版業界、ハリウッド・セレブリティ、ファッション業界関係者に加えて、 地元の政治家やウォールストリートのエグゼクティブ までもが常連だったのがパスティス。 最も興味深いニューヨーカーが集まる社交場の役割を果たした近年最後のレストランと言われる存在なのだった。










パスティスがクローズした理由は別に経営不振だった訳ではなく、パスティスが入っている建物が改築されるための一時的な閉店。 しかしながらその改築中にレント契約がもつれたせいで、現在元パスティスの場所にはRH(リストレーション・ハードウェア)のニューヨーク・フラッグシップが入り、 ルーフトップにはカフェ&ラウンジもオープンしているけれど、以前のパスティスとは全く比較にならない存在に甘んじているのだった。
そのパスティスが遂に再オープンを果たしたのは6月7日のことで、同じMePaでもオリジナル・ロケーションから1ブロック先の ガンズヴート・ストリート。当時の雰囲気をそのまま反映させたインテリア&サイドウォーク・カフェに加えて、 当時からのフレンチ・ビストロ・メニューを再現して、オープン初日から「ディナーの予約は不可能」と言われる大人気ぶりになっているのだった。
パスティスのオーナーは、ニューヨークで他にバルタザール、ミネッタ・タヴァーン、オーガスティン等を手掛けるキース・マクナリー。 彼が経営するレストランは、離婚訴訟で元妻に経営権が渡ったトライベッカの老舗、オデオンを含め、 ことごとく長寿人気を持続することで知られ、業界では彼を「キング・オブ・ニューヨーク」と呼ぶ声が多いほど。 その人気の秘訣はニューヨーカーが何度も戻って来たくなる独特の雰囲気と客層の良さで、 誰もが好むようなシンプルなビストロ・メニューを美味しくサーヴィングするのもその魅力。 すなわちシェフの腕が目当てで足を運ぶのではなく、良い雰囲気とクラウドに囲まれて カジュアルな食事をリラックスして楽しめるのがキース・マクナリーが経営するレストランの醍醐味。
その傘下のレストランの中で最も人気が高いのが パスティスとソーホーのバルタザールで、 どちらもパリのカフェに居るような雰囲気の中で ニューヨーカーのエキサイティングなバイブが味わえる存在。 またどちらもトレンディなロケーションに位置しているのも重要なポイントになっているのだった。






本来はもっと早く実現していたはずのパスティスの再オープンであるけれど、その遅れの理由となったのが キース・マクナリーの体調不良。キース・マクナリーほどの大物でも、一度体調不良に見舞われると離れてしまうのがインヴェスター。 そのため新しいインヴェスター&パートナーを探していた彼にアプローチしてきたのが、今や全米でトレンディ・レストランを展開するスティーブン・スター。 フィラデルフィアのブッダカン、モリモト等の人気レストランからスタートして、今やニューヨークでもル・ククや、クロック・タワーといったミシュラン・スター・レストランを手掛ける他、 ロサンジェルス、マイアミでもサクセスを収める彼のスター・レストラン・グループは過去数年、沈滞するレストラン業界で最も大きなサクセスを収めてきた存在。
そのスティーブン・スターとのパートナーシップでオープンした新生パスティスは、キッチンを含むデイリー・オペレーションをスター・レストラン・グループが担当し、 インテリアを含む雰囲気作りをキース・マクナリーが担当するという割り当て。 スティーブン・スターによれば、レストラン・フードのトレンドはどんどんヘルシー志向になっているとのことだけれど、 パスティスではフレンチ・ビストロ・メニューの伝統を貫いて、バターをリッチに使ったものが大半。
中でもパスティスのシグニチャー・ディッシュはステーキ&フライとチーズバーガー。 サイドに添えられているフレンチ・フライ(フライドポテト)は 単品でもオーダーが可能で、 以前のパスティスでは 往年のスーパーモデル、リンダ・エヴァンジェリスタやグウィネス・パルトローなど 日頃からウェイトを気にして、揚げ物など食べないセレブリティがオーダーしていたことで知られる大人気アイテム。 ピーナッツ・オイルを用いて超高温で揚げたポテトを冷凍して水分を飛ばし、 もう一度ピーナッツ・オイルで揚げ直すことにより、カリカリのクランチーさを保つように調理されていて、 その美味しさは新生パスティスでも健在なのだった。






私がようやく新生パスティスに出掛けることが出来たのは先週のことで、以前のパスティスと変わっていたのは 店内がU字のレイアウトで以前より広い空間になっていたこと。その広くなった空間のせいで レビューの中には「ウェイターがなかなかやって来ない」と文句を言う人も居たけれど、 私はそれは全く気にならなかったのだった。
それよりもやはり良かったのは客層で、ニューヨークに住む私が 久々にニューヨークらしい経験をしたのがパスティスでのディナー。 隣のテーブルには有名なTVキャスターとその局の関係者らしいグループが座っていて、 その中の重鎮らしき人物に来店客の何人かが挨拶に来ており、反対側のテーブルには暫し映画に出ていない俳優が友達グループと座っているなど、 近年で最高のマンウォッチングが楽しめたのだった。
パスティスの唯一の問題はディナーの予約がなかなか取れないことで、予約無しのウォークインで出かけた場合に座れるのはバー・エリアだけ。 オープンから間もない現在は ディナーの最後のタイムスロットである10時半の予約も埋まってしまうほどなので、客足が減った頃を見計らって立ち寄っても テーブルにつけないケースがあるのだった。
でも以前のパスティスを知る人でも、知らない人でも出掛ける価値があるのが新生パスティスで、 あの独特な喧騒、キース・マクナリーのレストランならではでの大人のニューヨーカーのエキサイトメントは、今のニューヨークの他のレストランやラウンジでは味わえないもの。

パスティスの営業時間は以前同様、ブレックファストからランチ、ディナーまでのブレーク無しの一日中のオープン。 平日は午前7時半、ウィークエンドは午前9時のオープンで、木曜、金曜、土曜は午前零時まで、それ以外は午後11時までのオープン。
ちなみに以前のパスティスではセレブリティ・ウォッチングが出来たのは、圧倒的にブレックファストと午後2時以降の比較的来店客が少ない時間帯。 でも現在はリオープン直後ということもあって、ディナー・タイムにかつての常連セレブリティが姿を見せていることが伝えられているのだった。

Pastis
52 Gansevoort Street, Manhattan, NY 10014
(212) 929-4844
Website

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。

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