$1M Loss on Her NYC Apartment
結婚直後のジェニファー・ローレンスが1億円以上の損失を覚悟で売却する
ラグジュアリーコンドから学ぶ、NYC不動産投資の教訓
Published on 11/08/2019
10月にアート・ギャラリストのクック・マローニーと結婚したばかりのジェニファー・ローレンスが、11月に入った途端にニューヨークの不動産業界で話題を提供したのが、
彼女が今年の初夏から売却を試みているアッパー・イーストサイドのコンドミニアムの値段を下げたこと。
ニューヨークは不動産市場がすっかり冷え切っているにも関わらず、
新しいデベロプメントがどんどん完成しては市場に溢れている状況。
最新設備の新築ビルディングの価格でさえ値崩れしている今のニューヨークでは、
ジェニファーが売りに出しているような築11年の中古物件は非常に売却に不利。
そのジェニファーの物件は2016年に1560万ドル(約17億円)で購入したペントハウスで、
ビルディング自体は全130ユニット。
そのマーケットでの状況を察知して、ジェニファーは売値より低い1545万ドル(約16億8,410万円)の売却価格を今年7月に提示したものの、
一向に食いつきが無いことから 11月に入ってその売り値を1425万ドル(約15億5,300万円)に下げたところ。
1億4000万円以上の損失を覚悟の価格設定となっています。
そうなってしまったのはジェニファーがマンハッタンのNYの不動産価格のピークでこの物件を購入してしまったためですが、
当時のマンハッタンでも既に過剰なまでのコンドミニアムの開発ブームが起こっていただけに、
その段階でアッパーイーストのイースト・リバー沿いの中古物件を17億円で購入するのは決して賢いとは言えないチョイス。
ジェニファーはその翌年の2017年にも433グリニッジ・ストリートにコンドミニアムを購入していますが、
ここは ジャスティン・ティンバーレイク&ジェシカ・ビール夫妻、ブレーク・ライヴリー&ライアン・レイノルズ夫妻、
ハリー・スタイル、メグ・ライアン、ジェイク・ジーレンハール、マイク・マイヤー、レベル・ウィルソンといったセレブが
こぞって物件を購入したことで知られる有名なビルディング。
こちらの方が割高で 間取りは悪くても、投資物件としては遥かにベターと言われるもの。
以下ではそのジェニファー・ローレンスのアッパーイーストのコンドミニアムと共に、不動産専門家が指摘する彼女の投資のミステイクをご紹介します。
ジェニファーが2016年に購入したのは400 E 67St. 、ローレル・ハウスとネーミングされた無機質なビルで、
プロ・スポーツ選手が住むならまだしも、ハリウッド・セレブが住むとは考え難い物件。
インドアの面積は378平方メートル、加えて279平方メートルのアウトドア・テラスがあるペントハウスは、
3ベッドルーム、4.5バスルーム (バス&トイレのフルバスルーム4つと、トイレのみのバスルーム1つ)
のデュプレックスになっています。
このサイズのコンドミニアムになると、ニューヨーカーなら子供が居るファミリー、
そうでない場合は州外、特に海外に住む投資目的のバイヤーの購入が見込まれますが、
アッパー・イーストサイドはコンサバなニューヨーカーにはアピールしても、
州外のバイヤーにとっては落ち着き過ぎるロケーション。
子供が居るファミリ−が15億円を出して購入するコンドとなると、もっと子供用のアメニティが充実しているなど、
様々な条件を出来る限り満たす物件を選ぶので、これだけマンハッタンに新築物件が溢れている現在では
その競争に勝てない、すなわちなかなか売れないことが指摘されています。
写真上はシェフズ・キッチン。何故か中央のアイランドの下が鏡になっていて、収納抜群で自然光がふんだんに入るのは魅力。
棚やアプライアンスはこのビルが2008年に建ったものとあって、ひと昔前のスタイル。
キッチンはバイヤーが最もこだわるポイントの1つなので、このキッチンと下でご紹介しているバスルームは
恐らく15億円をこのコンドに支払おうとするバイヤーが最も難色を示す部分。
バイヤーが強くキッチンとバスルームの改装を希望した場合、それが更なるプライス・カットを求められる理由になるのは言うまでもないこと。
そのため不動産の専門家は、もしここがジェニファー・ローレンスのコンドミニアムでなかったら、
12〜13億円が買い手がつく適正価格だろうと指摘しています。
写真上は3.7メートルという天井の高さが感じられるカジュアル・ダイニング・エリアのスナップ。
ここはキッチンと隣接しているので、ダイニング・キッチンという雰囲気。窓からのビューはアッパー・イーストサイドとミッドタウン。
このエリアは交通の便が悪いものの、15億のコンドが買える住人であれば交通機関の心配は無し。
しかしながら、このエリアは雨が降ると車が大渋滞するエリアでもあります。
ジェニファーの29歳という年齢とセレブというステータスを考えると、不動産を購入して 生涯そこに住み続けることはあり得ないだけに、
売る時の事を考えて物件を選ぶべきなのは当然ですが、
不動産というのは似た物件が周囲に沢山ある場合には、さほど価格が上がることは無いもの。
このジェニファーのペントハウスは まさにそのアッパー・イーストサイドの ワン・オブ・メニーと言える物件。
それだけにマーケット・ピークで購入して、そこから売却利益を得るのはほぼ不可能と言えるタスクになっています。
写真上、ホワイト・マーブルのバスルームは 前述のように2008年に建ったビルディングとあって 15億円の物件としてはかなり時代遅れ。
その下は3つあるベッドルームのうちのマスター・ベッドルーム。
窓の外に広がるのはイーストリバーを挟んだクイーンズのビュー。ここから直接テラスに出られるようになっていて、
アウトドアにはキッチン設備もあるので、テラスでのパーティーも可能です。
ジェニファーはここに暮らしていたせいか、普通ならハリウッド・セレブリティを見かけることが無いような
アッパー・イーストサイドのネイバーフッド・レストランに姿を見せて話題になったことがありますが、
それでもジェニファーがアデルやエマ・ストーンなどとのNYのナイトアウトを楽しんでいたのはもっぱらダウンタウン。
2018年5月からジェニファーが チェルシー地区にあるグラッドストーン・ギャラリーでディレクターを務める
クック・マローニー(33歳)との交際を初めてからも、2人のデートはもっぱらローワー・イーストサイド等のダウンタウンで、
婚約のパーティーを行ったのはブルックリンのリバー・カフェ。
アッパー・イーストサイドの富裕層もディナーやナイトアウトではダウンタウンに出向くものの、
セレブリティは移動を減らすために自分の行動範囲に住居を構えるのはほぼ常識。
自分のライフスタイルにマッチしないエリアの物件購入は、
世田谷区ほどのサイズのマンハッタンにおいては不動産投資の失敗を招く要因の1つとして挙げられています。
写真上はビリヤード・テーブルが置かれたプライベート・ゲームルームと、
既に紹介したメインルーム。ここを仕切っているライム・ストーンの壁には両サイドから眺められるガラスのファイヤー・プレースが
フィーチャーされています。
ジェニファーがこの物件を購入した翌年、2017年に購入した443グリニッジ・ストリートは、
元製本工場を改装したランドマークに指定された歴史あるビルディング。
建物の中のコンドミニアムの数は僅か53ユニットで、前述のように多数のセレブがNY滞在中に暮らしている非常にアイコニックな建物。
したがって建物自体も住人もユニークで、他の新築ビルには無い独特の雰囲気を備え、ハドソン・リバーやソーホーに程近い
ヒップなエリアに位置すること、ユニット数が少ないエクスクルーシブさなど、
投資物件としては価格が上昇する要素が揃ったもの。
それだけに何故ジェニファーがこのアッパー・イーストの物件を購入したのかに首を傾げる不動産関係者が多いのが実情。
ジェニファーよりも彼女の両親が暮らすのに適したのがこの物件と言えます。
写真上は279平方メートルのアウトドア・テラスとそのビュー。ですがイースト・リバーからクイーンズを望むビューは、
州外からのバイヤー、特に海外からのバイヤーに人気が無い風景。
やはりニューヨークというと人気が高いのはワンワールド・トレードセンターや、エンパイア・ステート・ビルディングを望むマンハッタンの西側からのビュー。
事実、直ぐ傍にエンパイア・ステートビルを臨むチェルシー地区では 過去2年間に新築コンドの3分の1以上が
ニューヨークに住んでいない州外、特に海外からのバイヤーによって購入されています。
写真上はビルディングのアメニティで、ムービー・シアターとゲームルーム。どちらも今や
マンハッタンのどのアパートにも見られる施設ですが、今一つ垢抜けないのはやはり築10年以上が経過したビルであるためで、
過去10年間でコンドミニアムのデザインやアメニティが大きく進化したのは紛れもない事実。
なので他の新築ビルに比べるとどうしても見劣りするのは否めないところです。
エレベーターはペントハウスの住人でない限りはペントハウスではストップしないようロックが掛かっていますが、
新築ビルではペントハウスにはプライベート・エレベーターは当たり前になっています。
写真上はビル内のアメニティである2フロア構成のジム。下のフロアにプールが設置されたジムには、サウナ、スティームルームの施設があり、
メンバー用のラウンジも設けられています。
パパラッツィに悟られずに出入りが出来るガレージに加えて、自転車通勤をする人に便利なバイクルームもあり、
プライベート・ストアレージ(物置)も大き目。
アパートを貸し出す際に大切な家具や持ち物を収納するのに便利になっています。
現在ジェニファーは夫、クック・マローニーとの新婚生活のための新しい物件を 彼のギャラリーに近いチェルシー地区で探している真っ最中。
彼女にとって朗報と言えるのは、今売りに出している物件の売却価格で損をしても、
ピーク時よりも遥かに安い価格で新しい物件が購入できること。
それだけに物件の買い替えを狙っている不動産オーナーは、損を承知で手持ちの物件を売却して、
購入の際に価格を値切ることによって 損失を相殺しようとする傾向が顕著になっています。
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