Oct Week 4, 2023
“Fall Foliage in Central Park”
2023年セントラル・パークの紅葉


ニューヨーカーにとって 常にちょっとした不満の種になっているのが、多くのニューヨーカーにとって「NYで最も嫌いな場所」であり、極力避けて通るタイムズスクエアが、 何故かNYを象徴する場所にされていること。世界中のニュース・メディアが ”街行くニューヨーカーに尋ねてみると…”と言いながら、タイムズスクエアを歩いている一目で旅行者と分かる人々にインタビューする様子に ニューヨーカーは辟易しているけれど、つい最近 そのタイムズスクエアを抜いて、ダントツで”NYで最もインスタグラマブルなスポット” になったのがセントラル・パーク。
そもそもタイムズスクエアで撮影出来る アイコニックなショットと言えばニューイヤーのカウントダウンが行われるビルを中央にフーチャーしたアングル、ABCTVやナスダックのジャンボ・スクリーンのエリア、TKTSの真っ赤な階段エリアの3種類。 人によってはブロードウェイの看板撮影も好むようだけれど、それに比べてセントラル・パークは数えきれないほどのフォトジェニックなセクションの宝庫。 しかもそれらが季節と天候、時間帯によって表情を変える上に、朝日、夕日、月が美しく見えるスポットも多く、 自分が名フォトグラファーになったように錯覚させてくれる場所なのだった。




私は10年以上セントラル・パークでランニングを続けているけれど、ここまで続いているのは どんなに走っても決して飽きないパークのビューやその雰囲気のお陰。
マンハッタンの面積の6%を占めるセントラル・パークは、マンハッタンの60丁目から110丁目までを東西に分けるように中央に縦長に位置しており、 その中を一周するループは10キロ。初回のNYマラソンはセントラル・パーク内を4周&4分の1のコースで行われたとあって、極めてランナー・フレンドリーなパーク。 ループ以外にも様々なコースが設けられているのだった。
セントラル・パークは綿密にランドスケープされたアーバン・パークで、中央部分にトレッキングやバード・ウォッチングが楽しめる自然保護区域を設けながら、東西のアヴェニューに近い、人通りが多いエリア、人を集めるアトラクションとして デザインされたエリアには代表的なモニュメントを設置し、フォトジェニックなビューを提供すると同時に、野球やテニス等、約30のスポーツが楽しめるようにもデザインされているのだった。
さらにパーク内では春の花が見所を作りながら時間差で開花するようにデザインされている一方で、紅葉もカラーを調整しながら樹木が植えられていて、 パーク側からはそれぞれの季節になると、毎年のように開花マップ、フォール・フォリアージュ(紅葉)マップがリリースされているのだった。






セントラル・パークで紅葉の見所スポットとして推奨される8つのエリアは、101丁目から110丁目の西側のノース・ウッド、個人的には春のシーズンの方がお薦めの104丁目のコンサヴァトリー・ガーデン。 西側100~103丁目の小規模な池 ”ザ・プール”、97丁目~102丁目にかけて位置するノーズ・メドウ、85丁目96丁目にかけて位置するリザヴォァ―(貯水池)、73丁目~79丁目のパークの中心に位置する”ザ・ランブル”、 世界中のメディアや映画で頻繁にフィーチャーされる並木道”ザ・モール”、そしてセントラル・パーク・サウスにほど近く、最も旅行者が多いホーレット・ネイチャー・サンクチュアリーとその池のエリア。
10年以上パーク内を走り続けた私でさえ、エリア名と場所の景色が一致するのはこのうちの半分程度。果たしてこの紅葉マップがどれだけ旅行者に役に立つかは定かではないけれど、 紅葉のピークを迎えるのは通常10月半ば過ぎ。11月1週目日曜にNYマラソンが行われる頃には、紅葉のピークが過ぎているのが例年のコンディション。 これまで紅葉が外れ年になっていたのは、もっぱら「大型ハリケーンが来て紅葉の前に葉っぱが落ちてしまうケース」。しかし 近年、地球温暖化が進んでからは なかなか気温が下がらないことから、紅葉せずに緑の葉を付けたままの木々に混じって、一部の樹木が紅葉を始めてしまい、 周囲の樹木が追い付くころには葉が落ちてしまうという、紅葉の足並みが揃わない状況が起こり始め、以前のような一気に紅葉するダイナミックなビューが望めないケースが、セントラル・パークだけでなく、 紅葉の絶景で知られるヴァ―モント州やNYのアップステート等で増えているのだった。




でも今年に関しては、イスラエルとハマスの戦争が勃発して、週末には双方の支持者の抗議活動が行われる中、NYはユダヤ系が多いだけに便乗テロの警戒が高まっていて、街中が穏やかでないだけに セントラル・パークは通常以上に癒しの場。 街中や混み合った店内では、ちょっと人同士がぶつかっただけで、口論や喧嘩になる様子が伝えられる中、セントラル・パークは人の譲り合いや、見知らぬ人との笑顔の挨拶が当たり前の平和な空間。 私はヴァケーションでも都市に行くのを好むくらいなので、ヨセミテ等の国立公園には行きたいと思ったことさえないけれど、そんな私にとってもセントラル・パークでの森林浴は、毎日の入浴と同じ位大切な時間。
ちなみに私が個人的にお薦めの写真撮影のスポットは、紅葉マップの中でも挙げられていたリザヴォァー。メトロポリタン美術館からほど近い大きな貯水池は ジャクリーヌ・ケネディの名前が付けられていて、 「セックス・アンド・ザ・シティ」を始めとするNYを舞台にしたTVや映画で、ランニングのシーンに使われることが多いスポット。 実際にパークのガイドでも、初心者用のランニング・コースとして奨励されていて、一周が約2.4キロ。ここはアップタウンからミッドタウンの摩天楼を眺めるベスト・スポットであると同時に、 夕焼け空の撮影にも適したスポットで、私自身、上の2枚を含む様々なショットの撮影のために、何度ランニングを中断したか分からないほど、絵になる光景を見せてくれるスポット。
私が走り始めた頃は、エンパイア・ステート・ビルが貯水池の北側を走る時に常に見えたけれど、今では高層ビルが乱立してその陰に隠れて見えないエリアがどんどん増えてしまったのが近年の大きな変化。
どんな変化を遂げても、私にとってセントラル・パークは世界で一番素晴らしい場所。自宅以外では文句無しに私が最も長く時間を過ごすNYスポットなのだった。

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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