Mar Week 2, 2024
“Adipeau”
若さ維持のために実は不可欠な邪魔者を維持、回復させるクリーム


アメリカでAIに次いでVC(ヴェンチャー・キャピタリスト)の資金が流れ込んでいるセクターと言えば、ロンジビティ・テクノロジー&サイエンス。
特にシリコン・ヴァレーでは、築いた巨額の富で 不老不死の豊かな人生が テクノロジーと科学で手に入ると信じるメガリッチが、既に最先端のロンジビティ・セオリーやプロダクトをライフスタイルに取り入れて久しい状況。
その最たる例として昨年から脚光を浴びたのが、自ら立ち上げたオンライン・ペイメント企業を売却してマルチミリオネアとなり、 2年の月日と、200万ドルの資金を投じて、肌、頭髪、骨や筋肉はもちろん、血液から内臓、精力に至るまでの総合的なアンチエイジング・プログラムを開発し、それを インターネット上で公開したブライアン・ジョンソン(46歳)。 彼とそのプログラムについては別の機会にCUBE New Yorkでご紹介する予定であるけれど、 プログラムにはもちろん肌を若返らせるプロセスも含まれていて、 それがボトックスやフィラー、HIFUなど、その場凌ぎの効果のために、骨や皮膚細胞、筋肉にダメージを与えるものとは無縁なのは言うまでもないことなのだった。




ルックスにおける若さの鍵を握るのは肌と頭髪。 特に潤い、滑らかさ、ハリ、弾力、血色の良さ、キメの細かさ、グロウ、ツヤ&強さのあるの肌は若さの象徴。 これらすべての上1文字を取った「ウナハダケキグツ」という言葉を教わって以来、私は 「”ウナハダケキグツ”がある、シミ、シワ、歪み、たるみの無い、 引き締まった若々しい 美しい肌」を理想に掲げて来たけれど、昨今エイジングについて学び直して悟ったのが、 肌だけの若さや美しさでは全く不十分であるという事実。 その内側の骨格、筋肉、皮下脂肪がしっかりと保たれていない限りは、どんなに色素沈着が無く、滑らかで キメが細かい肌を保ったところで、 しぼんだ風船のような顔や身体になるのは避けられないのだった。
人間の身体、特に40代を過ぎた女性は骨質量、コラーゲンの分泌、代謝力、筋肉量の減少が年々スピードアップすることは 前回のこのコラムや、私がボトックスを止めた理由についてのコラムでもご説明した通りで、 皮膚という表面だけを整えても、中身がスカスカであれば シワ、たるみが避けられないのはもちろん、筋肉と骨格の衰えは顔の部位のポジションやバランスにも影響するので、 老け顔になるのは避けられないシナリオ。
筋肉はエクササイズと栄養補給によって、骨質量はエクサササイズでは増やせないので 食事や前回のこのコーナーでご紹介したビタミンD3&K2サプリメントによって 衰えを防ぐことは 肌のケアと同等に重視すべきこと。 それに加えて、特に年齢を重ねると それまで無い方が良いと思ってきたものが 顔や身体を若々しく見せるために必要になってくるけれど、 それが何かと言えば皮下脂肪。
前述のブライアン・ジョンソンが、顔や手、首などの 若さ維持のために不可欠な、皮下脂肪細胞に働きかけるスキンケア・プロダクトとして、 その毎日のルーティーンに加えているのが ここに御紹介するアディポー なのだった。






アディポーは ”Add=加える”という英語とフランス語で肌を意味するPeauを組み合わせた造語の商標で、 その名の通り年齢と共に失われる肌の若々しいボリュームや質感を維持、復活させるクリーム。
そのためには皮膚の脂肪細胞のナチュラルなコンディションとトーンを整え、細胞本来の弾力、強さ、ハリを取り戻す必要があるけれど、 幸いなことに その復活は年齢を重ねてからでも十分に可能であることが臨床実験から明らかになっているのだった。
アディポーのメカニズムは老化しコラーゲンやエラスティンの生成を妨げる成熟脂肪細胞の サイズを小さくして、若く活力があり皮下脂肪細胞に転換することで、肌本来が持つ再生能力を取り戻すというもの。 すなわちダイエットをして余計な脂肪をを落とすと若返るのは脂肪細胞も同様ということ。
プロダクトの詳細についてはアディポーのページでご説明しているけれど、 一度脂肪細胞がスリムダウンして、若さと活力を取り戻すと、徐々に皮膚に弾力とボリュームが戻り始め、それによって改善されるのが ほうれい線、マリオネットライン、眼の下の窪み等。 シワやたるみの原因には皮下脂肪細胞の老化と劣化が深く関わっていたことを痛感させられてしまうけれど、 顔にナチュラルなボリュームが戻ることで、弛んだ皮膚が引き上がるケースもあれば、 頻繁な筋肉の動きと弾力の衰えによって くぼんでいた皮膚が浮き上がるように復活するケースもあり、 いずれの場合も顔が若返るのは言うまでもないこと。
結局のところ、顔も身体も若さの維持に不可欠なのが 骨格、筋肉、皮下脂肪という土台に当たる部分。 これらを考えずに、ダイエットでスリムな体型を保っても、肌の表面だけを美しく整えたところで、土台無しで家を建てるようなもの。 最終的にはエイジングに負けてしまうだけでなく、不要に健康寿命を縮めたり、見た目の劣化を助長することになると思うのだった。






2023年の春までの美容整形界では頬のバッカル・ファット除去の施術が、欧米ではほうれい線やマリオネットラインを軽減して顔のラインをシャープにする目的、 アジア諸国ではもっぱら小顔にする目的でもてはやされてきたけれど、そのブームを一気に終焉させたのが写真上左から2枚のデミー・ムーアのスナップ。 ミラノ・ファッション・ウィークのフェンディのランウェイ・ショーに登場した彼女のフェイスラインが、バッカル・ファット・リムーバルで歪んでしまい、 頬に奇妙な影が出ていただけでなく、唇が歪んでいたスナップは衝撃的なインパクトで広まったのは記憶に新しいところ。
さすがにデミーはハリウッド・スターなので、顔の歪みはすぐにフィラーで修正されたけれど、時を同じくしてこの頃から話題になっていたのが 処方箋ダイエット薬、オゼンピックで大幅な減量に成功した人々の ”オゼンピック・フェイス”。これは 体重が大幅に減ったせいで、頬がこけた老け顔になるオゼンピックの副作用のことで、それ以降、 一気に下火になったのがバッカル・ファットの除去。 「わざわざお金を払って施術をしなくても、生活に困窮すればこの顔になれる」というジョークも聞かれていたけれど、 実際に病気や過激なダイエット、経済的困窮やストレスによってバッカル・ファットは自然かつ、効果的、しかも無料で落とせるのだった。
でもバッカル・ファットと一緒に失われるのが若々しさと、顔に現れる人生の豊かさや幸福感。 写真上右側2枚は1990年代の大ヒット映画「ゴースト」に出演時のデミー・ムーア、そして40代にして「チャーリーズ・エンジェル2」の出演で、 ハリウッドにカムバックした際のデミーのスナップであるけれど、 年齢を重ねることで確実に失われていくのが皮下脂肪細胞。
落ちてしまったボリュームは、フィラーで取り戻すのがこれまでであったけれど、そうすればどんどん不自然な顔になって行くのは周知の事実。 またフィラーは加齢で弾力を失った肌に使用すると、その後フィラーが分解されて効力を失っても、表皮がそれに応じて引き締まることはなく、 かえってシワが目立つようになるので、更に多くのフィラーを注入しなければならないという悪循環。 加齢によって代謝力も落ちているのでフィラーの残留物が皮膚層に滞在し続ける結果、最悪の場合は発がんの原因にさえなりうるのだった。
そもそも人間の身体は外部からの混入物を拒むように出来ているもの。身体的コンプレックスからフィラーやシリコンを埋め込むよりも、 その精神的弱さを克服して、自分らしく生きるメンタリティを培う方が、遥かに安全かつ安上がりで、確実に幸せになれると思うのだった。


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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