May. Week 3, 2025
“Marriage Material” or Not...
”女性視点の結婚するタイプ、彼氏にするタイプ”


FBポストのリンクからサイトにアクセスして、以来頻繁にお邪魔してます。男性読者です。 このコーナーが好きで、自分も相談してみたくなりました。よろしくお願いします。
僕は仕事で同僚とコンビを組んで動くことが多くて、よく仕事関連の女性達に 同僚は「結婚相手にするタイプ」、自分は「彼氏にするタイプ」と言われます。 理由は同僚が真面目そうなタイプで、僕はデート相手にしたら楽しそうだからと言われたんですが、 実際には同僚の方が楽しそうに遊んでいて、僕の方がずっと女性には真面目です。 最初はちょっと意外に感じただけだったんですが、何度もそう言われるうちに、勝手なレッテルを貼られているような気がしてきました。
女性には「結婚相手にするタイプ」っていうのは「浮気をしないATM」という意味で、決して誉め言葉じゃないそうで、 「彼氏にするタイプ」の方が全然良いと慰めてもらいましたが、僕の中では 「遊びたい時期に利用されるだけで、幸せを追求する段階では選ばれない 気の毒な奴」のイメージです。 こんな風に 勝手な決めつけをする女性の心理っていうのは、どういうものなんでしょうか。 余計な決めつけをする方が、逆に相手に妙な偏見を持ってしまう分、相手が限られて縁遠くなるような気がするんですが。 そんなことを日本の女性に言うと炎上しそうなので、NYに住む秋山さんに訊いてみたくなりました。
僕はNYが大好きで、未だ1回しか行ったことが無いですが、必ずまた行こうと思っています。 NYって合理的で、弱肉強食に見えるけれど、実は暖かくて、熱くて、困っている人に優しい街だと思っています。 これからも頑張ってください。

ー H ー


アメリカにおける「マリッジ・マテリアル」の変化


久々に男性からのご質問で嬉しいです。そして何日滞在されたかは不明ですが、NYに対して的確な印象を抱いていらっしゃると思いました。
アメリカでは「結婚相手にするタイプ」というのは、英文タイトルにあるように「マリッジ・マテリアル」とか「ハズバンド・マテリアル」等と表現されて、 通常「収入が安定していて、真面目で堅実な男性」を意味しますが、 それを「恋愛相手として面白味が無い」と捉える傾向があるのは事実です。 日本でもアメリカでも、女性が男性に向かって「貴方って良い人ね」と言えば、誉め言葉というより、 相手を恋愛対象として拒絶することを意味しますので、似たようなニュアンスと言えるかもしれません。
ですが女性達が結婚に夢を抱かず、特に若い世代を中心に結婚願望さえ抱かなくなりつつある現在では、 「マリッジ・マテリアル」は純粋な誉め言葉になりつつあって、特にルックスが良い男性に対して使われた場合は かなりポイントが高くなります。 そもそもアメリカで言う「マリッジ・マテリアル」は、もう少し掘り下げると「ギャンブル、アルコール、ドラッグ等の依存症が無く、人生を踏み誤る要素が見られない男性」、 「子供好き、もしくは家庭を大切にしてくれそうな男性」を意味します。
逆に「マリッジ・マテリアルではない男性」というのは、「マイペースで自分の趣味や遣りたい事を常に優先し、それに時間やお金を使う男性」、 「面倒なことを女性に押し付ける男性」、「浮気性」、「優しさや思いやりが無い男性」、 「この人の子供だけは産みたくないと思わせる男性」のことで、それは往々にして「付き合っているうちにウンザリした男性、失望した男性」です。
付き合うには、ある程度の恋愛感情を抱く必要がある訳で、Hさんが女性に言われた「彼氏にするタイプ」というのは、女性にとって恋愛感情が沸く相手という意味だと思います。 恋愛というのは心理学の世界では「ある種の錯乱状態」と見なされるもので、正当な判断力を失ったり、思わぬ勇気や能力が導き出される原動力になったかと思えば、 相手の一言で天国が地獄になったり、地獄が天国になるなど、思考回路や感情を乗っ取られてしまうこともあります。 ですが 相手の欠点、身勝手さ、歪んだ価値観を見過ごせるほど相手に夢中な状態はそう長くは続きしません。 恋愛感情さえ冷めれば、誰もがまともな思考を取り戻す訳で、その段階でも人として信頼出来て、愛情を注げる相手なら「マリッジ・マテリアル」です。 したがって「彼氏にしたいタイプ」がまともなで誠実な男性であれば「マリッジ・マテリアル」であるはずなのです。

恋愛視点、男女の違い

Hさんは、女性達に一方的に「勝手なレッテルを貼られているような気がしてきました」とおっしゃっていたのですが、 女性側は 単にHさんに「彼氏にするタイプ」と言って気を引いて、女性に対して慎重なHさんに もっと軽い気持ちでデートに誘って欲しいと思っていたのかもしれません。 でも私が知る限り、「結婚タイプ」、「恋愛タイプ」などと、軽い世間話の域を超えて身勝手なカテゴライズをする女性は、独りよがりで 自分が相手にどう思われているかも理解していないため、恋愛の独り相撲をする傾向にあります。なのでこのタイプには関わらない方が賢明です。
そもそも俗に言う適齢期の女性であれば、恋愛感情を抱いて交際している相手との結婚や将来を考えるもので、 たとえ相手の収入が自分より低くても、相手の家族関係が複雑でも、何とかやって行こうとするものです。 相手を見つけて、結婚まで持ち込むのが如何に難しいかは 誰もが理解していますので、結婚願望が強ければ強いほど「この人は彼氏」、「この人は将来の夫」などとカテゴライズする余裕など無い筈なのです。 逆に「君とは付き合えても、結婚は出来ない」という線引きができるのは圧倒的に男性です。 私はそれが原因で献身的な長年の交際相手(男性)と別れざるを得なかった女性を2人知っていますが、 どちらのケースも男性側の意志は「梃子でも動かない」という表現がピッタリ当てはまるほど、全くブレることがありませんでした。

女性と男性は、人間としては様々な価値観をシェアすることができますが、 男女それぞれの思考回路を発動させた場合、その噛み合わないズレ具合は 恋愛関連においてが最も顕著と言えるかもしれません。
例えば、これは以前コラムに書いたことがありますが、アメリカでは男性側がワンナイトスタンド(一夜の関係)をする場合、 その場凌ぎの相手と割り切っているので 女性に対するハードルを下げるのが通常です。 ところが女性は「出会ったばかりで関係するのなら…」と逆にハードルを上げる傾向が顕著です。 要するに男性は「この程度で妥協」、女性は「この相手ならOK」と、同じアクティビティのために正反対の思考が働いている訳で、 それでも騙し騙し繋ぎ留めたら、何等かの展開に持ち込めると女性が考えていたとすればそれは大間違いです。
アメリカに関して言えば、デート相手、結婚相手選びに際して、現在ではルックスや収入、人柄等より優先して問われる条件が存在しています。 それは政治思想、支持政党です。 第一期トランプ政権が誕生して以来、アメリカのデート・アプリには支持政党や「人工中絶をサポートするか」といった情報がプロフィールに含まれるようになりましたが、 政治が社会を完全に二極化してしまった今では、共和党、特にトランプ支持のMAGA保守右派と 民主党リベラル派の結婚や交際は不可能と言える状況になりました。
特にジェネレーションZ世代は、トランプ大統領を支持する女性が僅か28%という世論調査結果が出ています。 ですからリベラル派の若い男性にとってはデート相手や女友達には困らない時代を迎えたと言えそうです。

Yoko Akiyama



このセクションへのご質問は、ここをクリックしてお寄せください

プライベート・セッションはこちらからお申し込みください

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
Shopping
home
jewelry beauty ヘルス Fショップ 購入代行

Q&ADV プライベート・セッション

★ 書籍出版のお知らせ ★





当社に頂戴した商品のレビュー、コーナーへのご感想、Q&ADVへのご相談を含む 全てのEメールは、 匿名にて当社のコンテンツ(コラムや 当社が関わる雑誌記事等の出版物)として使用される場合がございます。 掲載をご希望でない場合は、メールにその旨ご記入をお願いいたします。 Q&ADVのご相談については掲載を前提に頂いたものと自動的に判断されます。 掲載されない形でのご相談はプライベート・セッションへのお申込みをお勧めいたします。 一度掲載されたコンテンツは、当社の編集作業を経た当社がコピーライトを所有するコンテンツと見なされますので、 その使用に関するクレームへの対応はご遠慮させて頂きます。
Copyright © Yoko Akiyama & Cube New York Inc. 2024.

PAGE TOP