Dec. Week 3, 2021
”Belting Belt”
ベルティング・ベルト


先日、友達と話題にしていたのが「ブラック・フライデイのセールで何を買って、何を返品したか」。
アメリカではクリスマス前後に再びセールに突入し、ブラック・フライデイの時よりも品薄になっているものの、ディスカウント率が高くなるのは例年のこと。 特にクリスマス・ギフトの返品ラッシュが始まる12月26日以降は、その返金分で買い物をする人、 Xマス・プレゼントでギフト・カード(商品券)を貰った人々が それを使ってバーゲン・ハンティングをするので、 ストア側も年末最後のかき入れ時を迎えるのだった。 その今年最後のバーゲンを前に、どんな物が 買われて、どういう理由で返品されているかを知っておくのは お金と時間の無駄を省くための知恵。
友人達が返品していたのは圧倒的にアパレルで、特に今年は割引率が例年に比べて低かったこともあり、 実際の商品とお値段を頭を冷やして考えた結果、「さほど着る機会も無さそうだし…」と返品しているケースが多いようなのだった。




私が返品したのは写真上、2週間前のこのコーナーでもご紹介して 私が到着を楽しみに待っていたハニーラブのボディウェア。
「下腹部をフラットにして、ウエストを引き締めて、ヒップアップしてくれるボディウェアを着用すれば スリムフィットなドレスも自信を持って着こなせる」と思いきや、 ボディウェアは伸縮性はあっても極めてタイトに出来ているので 着用するためには素材をしっかり掴んで 爪が割れそうな勢いで引っ張り上げることが要求されるのだった。 しかも厚みが異なる複数の素材パネルを縫い合わせているので、タイトドレスを着用すると縫い合わせのラインがドレスの上にくっきり浮き上がるのも大問題。
でも私が一番ガッカリしたのは、確かに気になっていた下腹部は平らに見えて、真正面から見たウエストも若干細く見えたけれど、 ボディウェアを着たからといって私の身体の体積は変わっていないので、下腹部が平らになった分の脂肪がウエスト部分までリフトアップされたせいで、 横から見た姿に以前よりも厚みが感じられたこと。ボディウェアを着用しなければ下腹部は出ていても ウエスト部分はそれより細いので凹凸のカーブがあるけれど、 ボディウェアを着用してその凹凸カーブが無くなると ウエストラインが真っすぐな丸太のように見えて、その方が魅力が無いボディラインに感じられるのだった。

即座に返品を決めた私はウェブサイトから手続きに入ったけれど、 そのプロセスでは約20の返品理由の中から 当てはまるものを選ぶことになっていて、 列挙されていたのは「キツ過ぎてトイレに行けない」、「ボディウエアのエッジで肌が負けてしまった」、「着用しているうちにボディウェアがロールアップ、もしくはロールダウンしてしまう」等、 考えただけで悲惨な状況。 「業界で最も着心地が良い」と言われるボディウェアでも こんな苦労をしてまで着用しては 返品している人が多い様子を垣間見てしまったのだった。
結局、私は下腹部の脂肪の解決方法をボディウェアという安易な手段に求めた自分の甘さを反省。 「年が明けたらまたダイエット」の決意を新たにしたのだった。




逆に友達とブラック・フライデイ・セールの最大の”戦利品”について話していた時に、 友達が見せてくれたのが その時に着けていたヴァレンティノのスタッズ・ベルト(写真上左)。 友達曰く、そのベルトを買って以来 毎日のようにつけては毎日のように人から誉められているそうで、 実際にシンプルなニット・ドレスを物凄く高額かつ ファッショナブルに見せていたのがそのベルト。
服を高そうに見せるアクセサリーというのは 決して安くないケースが多いけれど、 そのベルトも課税前約700ドルというお値段。 でも自分のワードローブを考えても、服を買い足すよりもベルトを購入した方がよほど良い投資になるのは明らかで、 それからというもの暇を見つけては私がリサーチしていたのがベルト。
実際のところ、私は服に関しては特に新しいアイテムを買い足す必要性は感じていなくて、 手持ちのワードローブをリフレッシュしてくれるアクセサリーやジュエリーの方に価値を見出しているので、 ベルトというアイテムはそんな私のニーズに非常にマッチしているのだった。






そのベルトのラインナップが今一番旬と言えるのは やはりヴァレンティノで、写真上のリバーシブル・ベルトは1本のベルトでレッド&ブラック、ベージュ&ブラック、ブラウン&ブラック等、 2色のコーディネートが楽しめるけれど、これはエルメスのベルト等でも観られるアイデア。 でも4cm、7cmといった幅広のベルトのリバーシブルはヴァレンティノならでは。
さらに今シーズンのItベルトになっているのが ベルト・レザーとバックルが同色というスタイルで、グッチやルイ・ヴィトンからも同様のものが登場しているけれど、 そのカラー・バリエーションがダントツで多い上に、レザーと同色バックルとゴールド・バックルをセットにしたものが登場しているのもヴァレンティノ。 ベルト・レザーと同色のバックルは ワンカラー・コーディネートをする際にとても便利なアイテムで、 ベージュでもブラックでもホワイトでも、頭の先から足の先まで1色で統一した場合、素材感が異なるアイテムのカラーがマッチしているのは ラグジュアリーな印象を大きく高めてくれるのだった。


私にとって年末のショッピングの最大の戦利品になる予定であったのが、2週間前のこのコーナーでご紹介したエメラルドのリング(写真上)。 何人ものお客様からこのリングの商品化についてのお問合せを頂きました。ありがとうございます。 でも残念ながら私自身が未だこのリングの仕上がりを待っているのが現在。
アメリカ全体が労働者不足に見舞われていることは何度もキャッチ・オブ・ザ・ウィークのコラムに書いてきたけれど、 ダイヤモンド・ディストリクトも例外ではなくて、ジュエリーのゴールド・マウントを作る業者から、石をセットする業者、磨きをかけて仕上げる業者の全てで パンデミック中に仕事を辞めた職人が多かったために人手不足。しかも昨今では、かなり名が知れたブランドの修理や石のセットの依頼もダイヤモンド・ディストリクトに流れ込んできているので、 今年は例年のホリデイとは比較にならない忙しさ。
私は11月前半にこのリングをオーダーしたものの、立場上「CUBE New Yorkのお客様のオーダーを優先で仕上げて、私の分は後回しでOK」と業者に連絡しておいたところ、 本当に後回しにされていて、石の入荷にも思いの他時間が掛かっているのだった。 でも200年以上続いたEarth/土の時代が終わって、風の時代に入ると これまでもてはやされてきたホワイト・ダイヤモンドよりも エメラルドの時代に入ると言われていて、「それがあと200年は続くことを思えば、今焦らなくても…」というのもまた事実。
お問合せを下さったお客様は、まだ暫くお待たせしてしまいますが、2022年を迎えてから商品としてお取り扱いをする予定です。お楽しみに。

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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