Mar Week 4, 2024
“Stanley Cup Accessories”
スタンレーカップ・アクセサリー


アメリカで何時頃から流行り出したかは 定かではないけれど、街中やセントラル・パーク等でとにかく人々が持っている姿を頻繁に目にするようになって久しいのが ”スタンレー・カップ”。 スタンレー・カップと言えば、今もベビーブーマーのような年上のジェネレーションにとっては NHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)のチャンピオン・トロフィー。 1892年にカナダ総督スタンレー・オブ・プレストン卿が寄贈したと言われる、北米最古のプロ・スポーツ・トロフィーであるけれど、 今では”スタンレー・カップ”をグーグル検索すると 同じネーミングのステンレス製タンブラーの検索結果の方が先に出て来るようになったので、 昨今ではこちらの方が遥かに検索数が多いと思われるのだった。 そのタンブラーのスタンレー社も1913年の設立で110年以上の長い歴史を持つ企業。 キャンプ用のクックウェアからフード・コンテナ、水筒まで幅広い商品ラインナップを誇る老舗ブランドであるけれど、 近年のアメリカのみならず、世界中でメガヒットになっているのが ハンドル付きのタンブラー、”Quencher / クエンチャー”なのだった。




私自身、ステンレス製のタンブラーはもう何年も前から愛用していて、 保温力に優れ、冷たいドリンクでも水滴がつかない、落としても割れない等、メリットが多いので、 通常のマグカップを全く使用しなくなって久しい状況。
そこで少し前に評判のスタンレー・カップをトライしてみたけれど、 理由は流行っているからというより、ハンドルが付いたタンブラーの方が便利かと思ったため。 私がそれまで使用してきたタンブラーは500mlのカップで、1日の水分摂取量が計算し易いことでも気に入っていたけれど、 もう少し大きめでも良いかと思っていたので、スタンレー・カップは迷わず880ml入りをチョイス。 最も迷ったのはカラーで、アメリカ人女性の間で圧倒的大人気なのは”クリーム”、淡いベージュ・ピンクの”ローズ・クォーツ”、そして”アッシュ(グレー)”で、 これを同系色のアスリージャー・スタイル、ワークアウト・クローズとコーディネートするトレンドが続いているのだった。
でもジムやヨガ・スタジオで、同じカラーのスタンレー・カップを持つ人が何人もいると紛らわしいようで、 差別化を図る目的も兼ねて、人々が購入するようになっていったのがアクセサリー。
アクセサリーは、見た目の差別化に加えて、機能的にする目的のものが多く、例えば写真上左は キーチェーンを通すリングがついたリップバーム・ホルダー。そのお隣はドリンクを飲みながら、スナックが楽しめるように配慮された スナック・トレーのアタッチメント。そのさらに隣は、今やスタンレー・カップ愛用者の殆どが使っている ストロー・トッパー(ストローのキャップ)。 その下のボトム・カバーは、カップをプロテクトするのはもちろん、カップを置いた時のノイズも防げる上に、 視覚的にカラーブロック効果も生み出せるので、人気のアクセサリーになっているのだった。




それ以外でスタンレー・カップの人気のアクセサリーは、写真上のようにハンドルにつけるチャーム、カップと同色のストロー、肩から下げるためのストラップ等があるけれど、 ショルダー・ストラップがついたカップ・スリーブは、カップのサイズに応じて調節が可能。クレジット・カードホルダー、 キーホルダー用のアタッチメント・ホールも付いていて、中にはスマートフォンが収納できるジッパー・ポケットが装着されたものもあり、 カップと共に最低限必要なものが、全て持ち歩けるようにデザインされているのだった。
今ではスターバックス等も、自分が持ち込んだタンブラーにコーヒーを入れてくれるようになって久しいけれど、 ホットでもアイスでも、ペーパーカップやプラスティック・カップを使用せずに、保温力に優れたマイカップ、リユーザブルなストローで味わうのは若い世代にとっては 環境保護の一環。 スタンレー・カップのクエンチャーはホット・ドリンクなら7時間、コールド・ドリンクは11時間温度を保つ事が可能。 ちなみにボトムが細くなっているのは、どんなカップ・ホルダーにもフィットするように配慮されたデザインなのだった。




スタンレー・カップ用のアクセサリーとしては、季節感のあるステッカーやチャーム、自分でクリスタルをあしらうキット等もあり、いずれも気が変わって 剥がした時に、カップの表面にダメージが残らないもの。
スタンレー・カップがトレンディングになってからというもの、スタイリッシュな印象の人が水のペットボトルをもち歩く姿を本当に見かけなくなったけれど、 実際に若い世代の間では、ルイ・ヴィトンを着て居ようと、エルメスのバッグを持っていようと、外出中に水をペットボトルで飲むようであればアウト。 「デザイナー物の服が買えるのなら、プラスティック・ボトルから水を飲むな!」的な目で見られてしまうのが現在。
そうなる背景にあるのは、プラスティック・ボトルに含まれる頭髪の幅の1000分の1のサイズのナノ・プラスティックの体内混入が 近年問題視されてきたため。 500ミリ・リットル入りの水のペットボトルには、平均で12万個のプラスティック粒子が含まれており、その90%がナノ・プラスティック、 残り10%がそれより若干大きいマイクロ・プラスティック。ナノ&マイクロ・プラスティックは、体内で酸化ストレス、炎症、免疫機能不全、生化学代謝とエネルギー代謝の変化をもたらし、 細胞増殖障害、微生物代謝経路の混乱、臓器発達の異常のリスクに加えて、発がん性をもたらすもの。体内に蓄積されたナノ&マイクロ・プラスティックの除去は 「可能であるはず」と言われながらも、対策が無いのが現在で、そのリスクがメディアとソーシャル・メディアで取り上げられるようになったことも、 環境フレンドリーであることに加えてスタンレー・カップがメガ・トレンドになった一因。
毎日愛用し、アクセサリーでパーソナライズすると更に愛着が沸くのが人間心理で、 スタンレー・カップ人気はまだまだ継続する気配なのだった。


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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