長年の愛読者で、お買い物もさせていただいております。アドバイス、よろしくお願いします。
3年ほど前に、当時58歳の夫と円満離婚をしました。
夫婦円満だと思っていたので、夫から離婚を切り出された時は正直驚きました。
その時は娘達も結婚と独り暮らしで家を出て、私が自分の趣味を生かした仕事に本腰を入れたタイミングで、夫は私のビジネスに出資をしてくれて協力的でした。
夫が言う離婚理由は、「自分達の結婚は大成功だった。これからはお互いの親友になって、身体が動くうちに、今迄家族に気遣って出来なかった事を遣ってみたい。
人生最後の冒険やチャレンジをしてみたい」みたいな感じでした。
夫と私は趣味という点では正反対で、私は完全なインドア派、夫はアウトドア派で、夫が仲間と週末にスキー、サーフィン等のスポーツに出掛けると、
私は友人と都内でショッピングやブランチして羽根を伸ばしていて、それで上手く行っていました。
でもアウトドアやジムで汗をかく夫の洗濯物の多さ、健康志向で大食漢の夫のために作る手料理の量などを考えると、
「今後は夫のための家事が無い方が楽だし、結婚後初めて自分のためだけに時間を遣いたい、私も身体が動くうちに
自分が行きたいところに旅行に行って、自由に生きて見たい」と思うようになり、婚姻継続に価値を見出さない自分に気付かされました。
夫は見た目が若いので、「きっと若い女性との再婚を望んでの離婚だろう」と疑う人も居ましたし、アウトドアの仲間の中に、夫を狙っているバツイチ女性が居る噂などは私の耳にも入っていました。
ですが夫は慎重で用心深く、自分の評判を落としてまで、妻に慰謝料を請求されるような離婚をするとは思えませんでした。
結局、私自身は弁護士など雇わず、十分な財産分与を貰って離婚し、離婚後の方が生活が自由で楽になったので、夫には感謝しかありませんでした。
この時点で”元夫”ですが、面倒なので”夫”のまま続けさせて頂きます。
夫とは離婚後も気楽に連絡を取り合っていましたが、少しすると夫は友人の紹介で、30歳前後の若い女性(噂に聞いたバツイチ女性とは別人)と半同棲のような生活を始めました。
ところがある日、夫がアウトドアで大怪我をしてしまうと、入院やリハビリで頼ったのは その女性ではなく、私と娘達でした。
私達も夫とは長年の家族ですし、別に嫌いで別れた訳ではないので、入院中も退院後も面倒を見ていましたが、知らない間に夫は若い女性と別れていて、私に復縁を持ちかけてきました。
理由は、「若い女性は可愛いし、明るいけれど、リードしなきゃいけない気負いを感じて疲れた。相手の若さに合わせて虚勢を張っていたけれど、年齢以上に頑張るのはやっぱり辛い」のだそうで、
怪我をしたのも、心と身体に疲れが溜まっていたためだと言いましたが、私が会った時の若い女性の印象は、美人で聡明でしたが、野心的な雰囲気があって、自分のキャリアのための社会的、経済的なサポートと引き換えに、
夫に若くてキレイな自分と交際するステータスを与えている等価交換のような印象を受けました。ですので、女性には大怪我をしてからの夫では頼りなく、キャリアの重荷になるように考えたのが別れの原因ではないかと私は思います。
復縁依頼があってからは、夫からの連絡頻度が増えて、娘達は私の好きにすれば良いと言いますが、勝手に離婚を切り出しておいて、心変わりした夫が身勝手という意見です。
私も正直なところ、夫と友達関係を続けるのは構いませんが、離婚後の生活が快適過ぎて、もう夫婦には戻れないと思っています。
問題は今回の大怪我のように、相手が困っている時に頼られると、「何とかしてあげなければ」という状況に追い込まれることで、
そうなるのなら死後の財産やお墓、保険金や年金等、全て考慮すると 結婚していた方が手続きが簡単ですし、自分に有利かと思います。これは夫も強調する復縁のメリットです。
でもそうなると、せっかく手に入れた自由を手放して、夫のために残りの人生を取られることになります。
夫は、実家が資産家で、自分のビジネスも上手く行っていて、投資もしているので、世話役を雇えば良いと思うのですが、
頼れる妻のような存在が居てくれないとダメだと言います。
外国にはいろいろな夫婦の形があると聞いていますが、何か私の状況に合ったアドバイスをして頂けないでしょうか。お忙しいところ恐縮です。
長文、乱文失礼いたしました。
これからもお身体に気を付けて頑張ってください。
ー K -
長年連れ添った夫さん(私もKさんに倣って”元”を省かせて頂きます)に、突然離婚、その後復縁を持ちかけられた状況、お察しいたします。
確かに娘さんたちがおっしゃる通り、夫さんの身勝手感はぬぐえませんが、同時にKさんが指摘していらした夫さんの「慎重さや用心深さ」もいろいろな部分に感じました。
離婚を切り出す前にKさんのビジネスに援助をして、長年連れ添った妻の今後の人生をサポートして円満離婚に至ったのは、
夫さんが自分の事だけでなくKさんや娘さんたちのこともよく考えた上で準備・計画されたことだと思います。
その時点での夫さんは、たとえ60歳でリタイアする必要が無かったとしても、一般概念で60歳を人生の区切りの1つと考えて、
それに合わせて第二の人生を歩もうと人生をデザインされていたものと思います。
財産をお持ちで、年齢より見た目が若く、婚姻中も夫さんに興味を示す女性がいらしたようですので、
離婚後に友人から若い女性を紹介されるのはごく自然な成り行きだと思います。ですが若い美人女性は 夫さんの自尊心を高めてくれた一方で、
長く連れ添った妻よりも、時間的にも経済的にも精神面でもずっとハイメンテナンスであったはずです。
夫さんは「リードしなきゃいけない気負いを感じて疲れた。相手の若さに合わせて虚勢を張っていたけれど、年齢以上に頑張るのはやっぱり辛い」と語っていらしたとのことですが、
虚勢を張っていたのは女性に対してだけでなく、周囲に対しても「若い女性と第二の人生を順風満帆に歩み始めた自分」を見せるため、
そして自分自身に対しても、「自分の選択は正しかった」と言い聞かせるために、必要以上に頑張られたものと思いますし、
怪我による身体的な限界と不自由を経験しなければ、その状態を続けていたように感じます。
私は以前からこのコーナーで書いてきた通り、「女性には男性を変えることは出来ない」という考えの持主で、男性を変えることが出来るのは時間、それも自分の限界を悟らされる時だと思っています。
男性は自分の限界を悟ると、それに応じて考えや生き方を改める傾向が顕著です。
恐らく夫さんは、大怪我をして自分の限界を悟った段階で、それまでの「第二の人生を謳歌する冒険プラン」が思った以上に厳しく、現実的ではないと考え、
それよりも今後見舞われる不測の事態に備えて 「自分に必要なサポートをしっかり確保し、安定した状態で年齢を重ねて、やがては信頼出来る存在に頼って穏やかに人生を終えるプラン」に切り換えたように見受けられます。
夫さんの 慎重さや計画性を思えば、大怪我がきっかけでそのように考えを改めても全く不思議ではないと思います。
さらに言えば、年齢を重ねてからでは新しい交友関係、信頼関係を築くのが難しいことも、Kさんとの離婚後に痛感されたのでは?と思う次第です。
Kさんは、年齢より見た目が若く、アウトドアにも熱心な夫さんの方が先に死去するイメージをしっかり持っていらっしゃるので、
夫さんよりも少なくとも5歳は若い印象を受けました。
女性の50代というのは、結婚生活や子育て、世の中の偏見や常識に縛られずに、自分という存在を理解し、自分の生き方が追求出来るという意味で、
本当の意味での”女盛り”と言える時期です。
この時期に夫を支える義務や家事から解放されて自由を得たKさんの生活が如何に快適かは、多くの女性が容易に想像できるものです。
したがって、元の婚姻生活に戻れないのは当然です。
私がここでご提案するとしたら、夫婦の籍は戻しても、元の婚姻生活には戻らないことです。
例えば夫さんと同じビル内の別アパートメント、もしくは隣のビルなど、物理的距離を感じない別居生活をして、夫さんの掃除・洗濯といった家事はメイド・サービスを雇い、
Kさんの時間と自由を確保した形で夫婦に戻ることです。
過去に何度も書いてきましたが、結婚は相手さえ間違えず、状況さえ整っていたら、女性にとっては便利でメリットが多い社会システムなのです。
特に資産がある男性との婚姻は女性には有利に働きます。
個人的には口約束の取り決めでよりを戻すのではなく、プリナプチャル・アグリーメント(婚前協約)を結んで、
法的立場が守られた形での復縁を強くお薦めします。
この婚姻はご主人にとって、「老後の安定+終活」のような意味合いがありますので、用心深いご主人にとっても、協約を結ぶのは望むところかもしれません。
欧米では、夫に性的関心が失せた妻が、契約でオープン・マリッジ、すなわち浮気を容認するケースもありますが、相手が何をしようと妻としての権利とステータスが守られるように
事前に協約を結ぶことで、その後何が起ころうと、契約で保証された権利を淡々と主張できることは、一度このような形で夫さんに振り回されたKさんにとって 非常に大切なことだと思います。
最後に、全般的に若い女性との結婚は男性の寿命を長引かせる傾向あるようですが、最も長生きが出来るのは7~9歳の年齢差だそうです。
残念なことに女性は若い男性と結ばれたところで、寿命が延びることは無いとのこと。
また親子ほど年齢が違う年上男性と結婚した女性は、相手に若さを吸い取られるのか、外観から内臓のコンディションまで老化が早まるケースが多いとも言われています。
Yoko Akiyama
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執筆者プロフィール 秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。 |
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