Feb. Week 1 2026
Harsh Truths About Marriage
妹の辛い結婚経験談で、娘の結婚意欲が失せました


友人に紹介されて3~4年ほど前からサイトを拝見し、このコラムを始めとする秋山さんの記事をいつも楽しみにしています。 私にもご相談させてください。
私には7歳年下の妹が居りまして、お互い子供は2人ですが、私は娘が2人、妹は息子が2人で、共に仕事をしながらの子育てをしてきました。 私の方が先に結婚し、結婚年齢も若かったので、妹の息子達はまだ14歳と12歳ですが、私の長女は20代後半に差し掛かり、彼氏と結婚を前提に一緒に住もうかと話していたところでした。
先日、実家で母と妹、私と長女の4人で話す機会があったのですが、妹が 「私、もう1度人生をやり直せるなら、絶対結婚なんてしない」と言い出し、 自分の結婚がどんなに不公平で、大変で、奴隷のような生活かを話し始めました。 妹の言い分は、

というようなもので、妹が涙まで流して辛い状況を訴える様子を見て母と私はショックを受けてしまいました。 母も私も 娘2人を育てたことしかないので、息子2人を育てる方が大変だとは思っていましたが、まさかそこまで妹が虐げられているとは考えてもみませんでした。 妹は既に弁護士に相談して、離婚の準備を進めているらしく、「息子達の態度がこの先反抗期でもっと酷くなるかと思うと、これ以上自分の人生を犠牲にしたくない」と言います。
妹は外資系勤務なので、残業無しで定時に帰宅しても 夫より稼ぎが良いのですが、それを知らない息子達は 母親は仕事をしていても、父親に養われていると思い込んでいるそうです。妹の夫は数年前にリストラと再就職を経験しましたが、 そのことは息子達には内緒で、当時夫のストレスを思いやった妹が甘やかしてしまったせいで、夫が横柄になり、それが息子達にも影響したと言います。

長くなりましたが、私のご相談は長女のことです。妹の話を聞いて以来、長女は厳しい現実を突き付けられたせいか、 結婚に消極的になってしまいました。娘曰く、「よく考えてみると彼が泊りに来ると、自分が全て世話を焼いていて、彼が帰った後はいつも掃除が大変」だそうです。 彼氏は料理はしませんが、味にはいろいろこだわりがあって、料理好きの長女は張り切って彼がリクエストする料理を作っていたようですが、そのせいで食材にお金が掛かっても 払ってくれないことも気になり始めたらしく、それ以外の外食や遠出をした時のガソリン代は割り勘だそうです。
二女にも「なんで、あんなに結婚したいと思っていたのか分からなくなった」と話していたそうで、私は突然の変貌に驚いていますが、 妹の結婚体験談を聞いたことで「自分達はそうならないようにしよう」と彼と話し合ったりするのではなく、 結婚したい気持ごと失せてしまうというのは 私には納得が行かないのです。こういうのは今時普通なのでしょうか。
私もかつては夫の実家との折り合いが悪く、非常に辛い時期がありました。 それを見て育った長女は「義両親との問題が無さそうな相手」という条件を満たしている現在の彼との結婚を考えていました。 私と夫も何度か彼氏さんに会っていますが、人当たりも 見た目も良い、好青年です。 妹の話を聞いただけで逃してしまうには勿体ないお相手に思えて、私の方がモヤモヤしています。
こんな状態ですが、何か割り切れるようなアドバイスを頂けませんでしょうか。 よろしくお願いします。

ー S -


危険信号は見落とすべきではありません


私はSさんの長女さんが結婚前に、日本にありがちな結婚の現実と向き合う機会が持てたことは むしろ歓迎すべきという意見です。 離婚経験者の多くが、「婚前に相手が見せた危険信号を軽視した、好意的に解釈しようとした」ことを失敗原因に挙げていますので、 やがて剥がれるメッキは早く剥がれてくれた方が良いのです。
長女さんは 義両親問題で苦労したSさんを見て育ち、それが回避できるお相手が必要条件だったようですが、 妹さんの経験談を聞いたことで、それまでの自分の結婚観が「木を見て森を見ず」の、総括的なジャッジメントに欠けたものだったと悟られたのかもしれません。
またこんな事を申し上げると失礼なのですが、母親という生き物は娘のボーイフレンドや伴侶を一度気に入ってしまうと、実態を把握せずに過大評価してしまう傾向にありがちです。 遠慮があって目新しい分、自分の息子より娘婿を優遇する母親は珍しくありませんし、娘夫婦に問題が起これば、娘婿の肩を持つケースも多いようです。 長女さんの彼氏は料理も掃除もせず、デートは割り勘、長女さんの手料理に甘えっぱなしのようですが、それでいて義理の両親になるかもしれないSさんご夫妻には人当たりの良さをアピールしているところからして、 巧みに二面性を使い分けるタイプかもしれません。 その場合、長女さんが夫のせいで辛い思いをしても、Sさんが長女さんの言うことを信じない、逆に責めてしまう事で、親子関係に致命的な亀裂が入ってしまうこともあります。 私は個人的に 妻やガールフレンドをDVで苦しめていた男性が、人当たりと外面、時にルックスが良いばかりに、被害を訴えても周囲が取り合わなかった実例をいくつか知っているので、 むしろこのタイプは 警戒すべきという意見です。
さらに言えば、Sさんは「妹の結婚体験談を聞いたことで、自分達はそうならないようにしようと 彼と話し合ったりするのではなく…」と書いていらしたのですが、 男性は婚前の話し合い程度で、その後の生活態度が改まるような簡単な生き物ではありません。 ましてや「結婚したら変わってくれる」ようなことはあり得ませんので、 危険信号を察知したら、努力をするより、結婚しない方が正解なのです。



家事問題は結婚を左右します

妹さんの夫は「結婚当初は ”自分も家事を手伝う” と言っていて、直ぐに何もしなくなった」とありましたが、 ”手伝う”ということは、「妻がメインで家事をする」ことが前提の考えですので、やがて妻だけが家事をするようになっても全く不思議ではありません。 同棲中は家事を分担していたカップルでも、一度結婚すると「家事や育児を中心にこなすのは女性」という暗黙の了解が成り立ってしまいがちで、 その背景には親や親族の影響もあるかと思います。
20世紀前半に活躍したアメリカのエンターテイナー、エディ・カンターの語録に 「Marriage is an attempt to solve problems together which you didn't even have when you were on your own. / 結婚とは、独身時代には無かった問題を、2人で解決しようとする試みである」というものがありますが、私はこれは言い得て妙だと思っています。 結婚するということは、1人暮らしをしている限り直面しない問題を 次々と抱えることで、それは簡単に解決出来るものではないのです。 円満と思われる夫婦でも、柔軟性という名の妥協、協調という名の諦め、自分が幸せだと信じる現実逃避、不遇を耐える忍耐とは無縁ではありません。
とは言っても1人暮らしには、1人暮らしの大変さがあります。 恋愛感情やそろばん勘定で結婚する場合も、自由と自分を尊重して独身で居る場合も、 当たれば人生のジャックポットですが、外せば惨めな生活になりかねません。 どちらが自分に適しているかを吟味して、賢い選択が出来るケースは非常に稀で、 殆どの場合、それを決めてしまうのは運命、もしくは愚かな判断です。
ベストな判断をしたと思える時期があっても、結婚は本人同士だけの問題ではありませんし、長い人生のうちに状況や人間性も変わります。 遺産相続、転勤・失業&転職、家族や親族の事故や病気などで生活は180度変わってしまいます。 結局のところ、自分の選択や運命によってもたらされた状況をどう生きて行くかが人生なのだと思いますが、人生は悪い事ばかりではないのもまた事実です。 突然の出来事で好転するケースも多々あります。 死ぬまで油断や楽観、依存は禁物である反面、苦しい人生であっても途中で諦めたり、未来を悲観するべきではないのです。

ところで私のアメリカ人の親友2人は、共に男児2人を産んで、子育てと仕事を両立させていますが、妹さんのように 家族の奴隷になっていないのは、ハウスキーパーを雇っているためです。 息子達は家事は母親よりハウスキーパーの仕事という意識を持っていて、 アメリカの場合、ハウスキーパーの労力を安価に提供してくれるのが移民、それも不法移民です。カリフォルニアのパロアルトでも、フロリダのマイアミでも、富裕層が不法移民狩りに反対するのは、 長年のハウスキーパー、庭師等が移民局に逮捕されてしまうと替わりがなかなか探せないためです。
子供達は日常生活での細かい事では何かと母親を頼りにするので、子育ての中心は母親になりますが、 育児の負担の偏りは、家事の偏りほどは問題にならないようです。

Yoko Akiyama



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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