5 Things You Should Never Do in a Bar
バーテンダー歴20年がアドバイスするバー・マナー& 5つの タブー・アクト
Published on 11/24/2023


世の中には、レストランのテーブル・マナーで恥をさらさないように気遣う人は多いけれど、意外に侮れないのがバーでのマナー。
ビジネス・ディナーでも、ディナー・デートでも、先ずはレストランのバー・エリアで1杯飲むケースもあれば、 食事が終わってからバーで飲み直すケースは珍しくないこと。 また昨今ではバー・カウンターでグルメ・フードが味わえるところが多いので、バーで飲みながらの軽食というオケージョンが増えているのがアメリカ。 バーではテーブルよりも相手と近い距離に、それもサイド・バイ・サイドで座るとあって、意外に気になるのが相手のマナー。
「気軽にビールをオーダーするようなバーなら、マナーなんて関係無い」と考える人も多いけれど、 それでもバーである限りは脈々と生きているのがバー・マナー。それを守らなければバーテンダーや周囲の来店客、一緒に飲んでいる相手にも 何等かのジャッジされて仕方がないと言えます。
ここに御紹介するのは20年以上のキャリアを持つバーテンダーが語る、「社会性のある大人としてバーで避けるべき5つのタブー・アクト」。 それさえしないように心掛ければ、自然にバー・マナーを守ったスマートな振舞いで、ドリンクが楽しめるようになるだけでなく、相手のマナーのレベルやマナー違反に気付くことが出来るので、 しっかりした社交が身に付いた相手か、口ほどにもない相手かも分かるようになるとのこと。
5つのタブー・アクトは、「飲み過ぎない」、「他人に迷惑を掛けない」といった常識を踏まえてのご法度事項で、 酔っ払いに寛容な日本とは異なり、欧米はアルコールが入る席ほど周囲の目が光っている社会。 また優秀なバーテンダーほど記憶力にも優れているので、一度さらした失態が尾を引くのは言うまでもないこと。 タブーをしっかり頭に入れておくことは、転ばぬ先の杖になってはずです。



1. ドリンクがなかなか決まらない、メニューを真剣に見過ぎる


バーでドリンクがなかなか決まらない様子は、同席している相手に「優柔不断」、「ドリンクごときも直ぐに決められない決断力の無さ」と判断されるケースが少なくありませんが、 バーテンダーは1杯目のオーダーを受けるタイミングに気を配っているので、ここで悪い印象を与えない方が、バーでの扱いも良くなるというもの。
バーでは、2杯目以降はそれぞれのペースでドリンクをオーダーしても、1杯目は一緒にオーダーし、飲む時に乾杯をするのは最低限のマナー。 そのため、奨励されるのは1杯目にオーダーするドリンクを決めておくこと。メニューをマニュアルのように真剣に読んだり、ブツブツ独り言のように読み上げるのはもちろんご法度。 特にアルコールの好みが無い場合は、一緒に出掛けた相手がオーダーしたドリンクと同じものを「じゃあ、私もそれで…」とオーダーするのは、複数のドリンクを1回で作れるのでバーテンダーにとっては有難いこと。
アルコールを飲まない人は、水やソーダをオーダーするよりも アルコール・フリーの ”Mocktail / モクテル”をオーダーする方がスマートな印象。 モクテルをメニューにフィーチャーしているバーもありますが、メニューに無い場合にはバーテンダーに特別にリクエストするのは消して悪くないこと。
モクテルでもカクテルでも、バーテンダーに特別に作ってもらう場合は、ベースになるお酒やドリンクを指定するなど、ある程度自分の好みを伝えるのもマナーです。

2. バーテンダーを声で呼ぶ、指を鳴らして呼ぶ

バーの中には複数のバーテンダーが常駐する大き目のバーもありますが、常に自分の持ち場全体に注意を行き渡らせるのもバーテンダーの仕事。 そのためバーテンダーに嫌われると同時に、周囲の来店客にも良い印象を与えないのが、バーテンダーを声で、もしくは指を鳴らして呼ぶこと。
ベストな方法はアイコンタクト、そうでない場合は軽く指を上げることでバーテンダーを呼び寄せるのが正しいマナー。 とは言ってもバーテンダーは複数の来店客に1人で対応しなければならないので、手が空いた時を見計らって呼ぶのもマナーのうちで、 自分優先の横柄な態度は印象を悪くするもの。
会計をする場合は、カードで支払う場合なら 宙にペンを走らせるジェスチャー、キャッシュで支払う場合は財布を出しただけでバーテンダーが気付いてくれるもの。 カードやお札を振りかざしてバーテンダーに会計の意志を伝えるのは下品な行為。
またバーテンダーは、来店客のボディ・ランゲージに注意を払っているので、大きな身振り手振りで会話をする来店客は、 紛らわしい、もしくは他の来店客への注意を奪う存在なので、歓迎されません。



3. 見知らぬ人のドリンクを買おうとする


バーでありがちなのが、男性が1人で座っている女性、もしくは男性グループが女性グループにアプローチするためにドリンク代を払うケース。 この場合、バーテンダーを通して相手に「ドリンクを買わせてもらって良いか」を尋ねるのが正しいマナー。 ドリンクを買うということは、相手の女性と短時間でも会話をする資格を得ることなので、デート相手を待ってる女性や、 バチェラレット・パーティー等のガールズ・ナイトを楽しんでいる女性グループ、もしくは1人で飲みたいと思っている女性には迷惑になる行為。
勝手にドリンクを買われてしまった女性はそれを飲まなくてもOKで、無理に御礼を言ったり、それを飲まない謝罪をする必要もありません。 また目の前で作られたドリンク以外は、今時何が入っているか分からないので、安全のためにも飲まないことが奨励されます。
自分や、自分の連れが喧嘩や口論をしたり、何等かのトラブルでバーの来店客に迷惑を掛けた場合には、迷惑を掛けた人やバーに座っている人達全員に フリー・ドリンクをふるまって謝罪するのは正しいマナー。バー全体を指さして「Next round is on me」と言えば、バーテンダーが会計の際にチャージしてくれます。
また部下を連れてバーに出掛けて、最初のドリンクは自分が支払おうと思っている場合は、「First round is on me」と言いながら、連れのメンバーを示してクレジット・カードを バーテンダーに渡すのがスマートなマナーです。

4. バーテンダーや周囲とコミュニケーションを取らない

バーという空間は、基本的にはコミュニケーションの場。1人で静かに飲みたい場合でも、その意志が伝わるコミュニケーションはマスト。 カップルで来店して、2人の世界に浸かっていたり、愛想のかけらもない態度、バーテンダーに何かを尋ねられても反応しないのはマナー違反。 バーテンダーは邪魔をされたくない来店客が居ることを熟知しているので、そう思しき来店客に声を掛けるのは本当に必要なオケージョンのみ。 それに反応しないのは、極めて失礼な行為です。
また他の来店客とコミュニケーションを取る必要はないものの、目が合って不愉快そうな顔をしたり、睨みつけるのはその場の雰囲気を悪くする行為。 特にコミュニケートしたくないものの、来店客と目が合った場合には、視線を相手からゆっくり手元に落として、薄っすら微笑むのが、放っておいて欲しい気持ちを示す友好的な意思表示になります。



5. チップをきちんと支払わない


人によっては バーでドリンクを飲むだけなら、チップを少なくしても大丈夫と考えるようですが、 バーで支払うチップは、食事と同等、もしくはそれ以上が常識人の間でのマナー。アメリカの場合は18%、NYなら20%を支払うのが相場。
バーテンダーがメニューに無いドリンクをリクエストに応じて作ってくれた場合等、特別な計らいをしてもらった場合はチップをはずむのもマナーのうち。 今では多くのバーがキャッシュレスで、チップもパーセンテージを18%、20%、25%、といった三択からタッチスクリーンで選ぶシステムが殆ど。 例え支払いがクレジット・カードやアップル・ペイ等のアプリの場合でも、バーテンダーにチップをキャッシュで握らせるのはもちろんOKです。
貧富の差が開いてきたこともあって、”チープ・チッパー”はお金があるように振舞っていても、実は家計は火の車という印象を与えたり、 根っからのケチという印象を与えるもの。 小規模なバーの中にはチップがバーテンダーの給与というところもあるので、チップをきちんと支払わないというのは「お金に困っている」、「ケチ」だけでなく、 サービス対価を支払っていないと見なされるのがアメリカです。
アジア人、特に中国人は”チープ・チッパー”という偏見を持たれがちですが、21世紀にもなるとアジア人の「チップ制度が無いから、チップの払い方が分からない」態度は、 「単に分からないふりをしているだけ」と見なされてしまいます。
また商談相手と一緒の際、付き合い始めたばかりの交際相手とのデートの時に、 チープ・チッパーぶりを発揮すれば、その後も「ケチ」、「あつかましい」という偏見を持たれて、 事あるごとに「バーで適切なチップも払えない人間」としてジャッジされる要因になるのがアメリカ。 さらに人間関係を壊しかねないのが「相手がチップをはずんだから、自分は少ししか払わない」と、他人のチップに依存する姿勢。
チップは自由意志とは言え、見苦しいほど少ない額を払う人に注意を促すことは間違いではありません。 飲むドリンクの数を減らしても、しっかりチップ用のバジェットを確保しておくことが、信頼される大人として社交を楽しむために大切です。

上記5点以外に、女性の場合、バーに出掛ける際にはグラスにベッタリついてしまうリップグロスやリップスティックは、 避ける方がベター。バーという空間は同席している相手のグラスが至近距離に置かれたまま、比較的長い時間を過ごすので、グラスについた リップ・プロダクトのせいで「厚化粧」、もしくは「何となく清潔感が無いイメージ」を抱かれるのは珍しくないこと。
たまたま運悪く、グラスに付き易いリップグロスをつけている日は、一口飲むたびに軽くそれを拭き取るようにすることが奨励されます。


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