4月20日にマンハッタンのミッドタウン、ウェストサイドに出店したのが、女優兼起業家のグウィネス・パルトローが手掛ける「Goop Kitchen/グープ・キッチン」。
グウィネス・パルトローは、過去に料理本を出版するなど、ヘルシーな食生活へのこだわりを見せ、それを自身のライフスタイル・ブランド、GOOPのビジネスにも反映。
そして2021年にカリフォルニアで創業したのが、ヘルシー&クリーン・メニューを提供するレストラン、グープ・キッチン。
以来、カリフォルニア州では14店舗を展開。カリフォルニアでは毎週4万人の利用客、1日当たりの売り上げは2万ドルのサクセスを収めており、
2024年には Uber共同創業者で、現在CloudKitchensのCEO、トラビス・カラニックから1500万ドルの投資を受け、事業拡大のための資金を確保。
これによりGOOPキッチンの時価総額は9000万ドル。
そのGOOPキッチンがカリフォルニアに次いで進出したのがNY。
ミッドタウンの1号店の後には、年内にアッパーウエストサイド、アッパーイーストサイド、フラットアイアン、ウィリアムズバーグにも出店が予定されているのだった。
Goopというウェルネス&ライフスタイル・ブランドは、グウィネスが2008年にウェブサイトとしてスタートし、後にオンラインショップを展開。
その後はオリジナルのコスメやグッズも手掛けるブランドになり、GOOPサミットといった高額リトリートの開催、ハンプトンズやサンタバーバラ等の高級リゾート地でのブティックも展開
GOOPキッチンは、グウィネスのヘルシー志向と食の哲学に大きく影響を受けているものの、実際にメニューを手掛けているのは副社長のキム・フロレスカで、
過去にNYのPer SeやスペインのEl Bulliなど、ミシュラン・スター・レストランで働いた経歴の持ち主。
GOOPキッチンは、ダイニング・スペースを持たないテイクアウト店で、パンデミック中に生まれたゴースト・キッチンというテイクアウトとデリバリーの専門店としての運営。
新鮮な食材と丁寧な調理を重視し、栄養価と味に優れた食事をテクノロジーと効率的なキッチン運営で顧客に直接届けるのがコンセプト。
そのためメニュー開発では、デリバリーやテイクアウトの移動時間を考慮し、全ての料理がパッケージに入れられた状態で最大45分間置いてから試食が行われたとのこと。
またGOOPでは料理を新鮮に味わうための様々な工夫を盛り込んだパッケージも開発。それらは各料理の食感、温度、品質を保つようにデザインされた特注のオリジナル。
そうした配慮もあって、アメリカ版”意識高い系”の人々からは高いリピート率を誇っているのがGOOPキッチン。
しかしフード業界関係者は、カリフォルニアで可能なことが 世界一の食の激戦区、NYで同じように展開出来るかについては疑心暗鬼の様子で、実際に
少なくとも現時点ではNYのビジネスはカリフォルニアとは異なる様相を見せているのだった。
まずGOOPキッチンのロケーションと言われる 246W. 46丁目にあるのは ”Picnic Digital Food Court/ピクニック・デジタル・フードコート”という施設。
GOOPキッチンは30以上が出店する このデジタル・フードコートの1店舗に過ぎず、看板さえ出ていない有り様。
注文は店内に多数設置されたセルフ・サービス・キオスク端末を使って行われ、その場で待っていると通知が来て、店内の壁一面に並んだロッカーから料理を受け取るシステム。
意識高い系をターゲットにしている割には、アマゾンで注文し、アマゾン・ロッカーで受け取るのに極めて近いシステム。
オープン時の待ち時間は45~55分で、時間に追われるニューヨーカーにとってはあり得ない長さ。
なのでランチタイム(正午)のデリバリーを前もって依頼しようとすれば、配達時間は午後3時30分と表示されてしまい、
しかも届いたのは注文とは異なる料理というミスオペレーションだったとのこと。
その味については、NYポスト紙とヴァニティ・フェア誌のエディターが ほぼ全メニューのテイスティングを行っており、
何方の編集部でも評価が高かったのは Goopテリヤキボウル(18.95ドル)、クラシック風コブ・サラダ(17.95ドル)
タイ風クリスピーライス・クランチ・サラダ(16.95ドル)で、サラダ類は日頃はサラダが苦手というスタッフにも大好評。
ペスト・パスタ(17.95ドル)は、無難な味との評価。
サマーサラダロール(14.50ドル)は味は良いものの、お値段が高くてコスパが悪いとの意見が聞かれる中、デザートのブルーベリー・レモン・レイヤーケーキ(9.95ドル)は良く言えば繊細な味わい、
悪く言えば味が感じられないというリアクション。日本のサツマイモのガーリック・ロースト(10.50ドル)も中途半端な味わい。
しかし、”ヘルシー&クリーン・イーティング”を謳う多くのレストラン同様、GOOPキッチンの料理が薄味で風味に乏しいことを思い描いていた両編集部のエディター達は、
こぞって「味がきちんとついていて、しかも美味しい」と言って、評判は上々。
それでも批判されていたのはグルテン・フリーのクイーン・マルゲリータ・ピザ(18.50ドル)で、「イタリア系移民が経営するピザ・ジョイントが立ち並び、
ピザに拘るニューヨーカーにアピールするにはあまに酷い」という意見が聞かれていたのだった。
ちなみに映画プロデューサーの父、女優の母親を持つグウィネスは、幼くしてNYの名門スペンス・スクールに通い、ブラッド・ピットとの交際中にはソーホーに住み、
現在の夫とはウエスト・ヴィレッジにアパートを構えた時期もあり、夏場はハンプトンズの常連で、NYは彼女のホームタウン。
しかしGOOPというライフスタイル・ブランドのヘルシー志向は、徹底したカリフォルニア・スタイル。
”ジムに行くけれど、ステーキハウスにも行く”というニューヨーカーのヘルシー志向とはやや異なるもの。
またカリフォルニアではよく使われても、ニューヨーカーの多くが嫌うパクチーが大量にサラダに入っており、
NYポスト紙の編集部ではパクチーを除去した途端、味の評価がアップしていたとのこと。
そのため今後はニューヨーカーのテイストに合わせたアジャストも必用になりそうな気配です。


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