
June Week 1, 2025
Birkin + L.L.Bean Tote = Boatkin
バーキン + Bean トート=Boatkin

2025年のサマーシーズンで最もホットなバッグと言われるのがここにご紹介する Boatkin Bag / ボートキン・バッグ。
ボートキンは、エルメスのバーキンと、L.L.Beanの永遠の定番 ”ボート・アンド・トート” をネーミングだけでなく、デザインでも融合させたもの。
トート・バッグのカジュアルな実用性に、今や財産と言われるバーキンのスタイル・エッセンスを加えたユニークなコンセプトを手掛けたのは Hathaway Hutton / ハサウェイ・ハットン。
既に完売続出の大ヒット・アイテムになっているのだった。

ハサウェイ・ハットンの Boatkinは、ヴィンテージのキャンバストートバッグを再利用し、手作業でカット・縫製されているので、 各バッグはOne of a kind、すなわち唯一無二の存在。
ものによっては、加工前の使用によるシミや書き込みが残っていることもあって、それがバッグにユニークなバリューを加えるポイントと言われるもの。
元のバッグの素材をほぼすべて活用し、廃棄物を最小限に抑えているので、極めてサステイナブルな製法。
Boatkinは、TikTokやInstagram等のSNSで話題となり、インフルエンサーやファッショニスタが愛用する様子を公開するメディアも報じ始めたこの夏のIt Bag。
ユニークなデザインと生産背景もさることながら、バーキンをもてはやすカルチャー現象によって、
ハンプトンズ、マーサス・ヴィンヤードといったリッチ・ピープルが集まる夏のリゾート地で特にもてはやされることが見込まれるのだった。
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でも、問題は Boatkinのお値段。ヴィンテージとは言え、使い込んだ中古バッグに、バーキンのフラップ、金具とストラップを取り付けたバッグは何と1580ドル。
バーキンほどではないとは言え、L.L.Beanの ”ボート・アンド・トート” で Boatkinにコンバートされているミディアム・サイズの価格は僅か34.95ドル。
バーキン化するためのベルトや金具については、4月4週目のこのコーナーでもご紹介したように、
今では DIY(Do It Yourself)バーキンや、ケリーなど自分で作るバーキンやケリーのレザーや金具パーツがセット販売されているくらいなので、
まったく高額ではないのは推して知るべし。 要するに ”One of a kind” であることとハンドメイドが付加価値になっているようだけれど、
「それにしても 高過ぎる」というのが正直な感想。
SNS上でも 「アイデアは面白いけれど、値段はボッタクリ」という批判が多いのが実情で、
「この程度なら自分で作れそう」とチャレンジする人も少なくないようなのだった。

ハサウェイ・ハットンでは、自分が愛用するトートバッグを送付すると、それをBoatkin Bagにしてくれるサービスもあるようだけれど、
エルメスのバーキンと言えば、昨年末にはウォルマートが激安のストラップ付バージョン、”ウォルマート・バーキン”、”ウォルキン”を手掛けて、あっという間に完売する大ヒット商品になったばかり。
ウォルマート・バーキンにも写真上のキャンバス・バージョンが登場していたようだけれど、
一般的な評価は、ブランド物のパロディで、アイデアとして面白いのはBoatkin Bag。 しかし手頃な価格と実用性、そしてウォルマートの製品開発力が実感出来るのは断然ウォルキンで、
多くがウォルキンに軍配を上げているのだった。
特にLLビーンの硬いキャンバス地を好む人にとっては、ヴィンテージ風に使い古されたBoatkin Bagのキャンバスは柔らか過ぎて使い辛く、入れる中身によってシェイプが変わるのを嫌う声も少なくないようなのだった。
中国の業者に、Boatkin Bagのトレンドを教えてあげた際のリアクションも 全くドライなものだったけれど、そのお陰で CUBE New Yorkで販売している
”ウォルキン・バッグ”を10%割り引きのセールにして貰うことが出来ました。
オリジナルよりずっと軽量で、ストラップ付、しっかりしたレザー、金具、縫製のバッグで、私自身、旧ヴァージョンを7年以上愛用しています。
ご興味がある方はセール中に是非トライされてみてください。
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執筆者プロフィール 秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。 |


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