Apr. Week 4, 2023
Questionable Preference
男性は何故しっかりした聡明な女性より、依頼心の強い”か弱い”女性を選ぶのでしょう


いつもこのコーナーだけでなく、キューブさんのサイト全体を楽しく拝読しています。
私には30代前半の弟がいるのですが、つい最近離婚が決まりました。 原因は弟嫁が家事を怠けて、遊び歩いていたためで、共有の貯金を使い込まれたことに腹を立てた弟が遂に離婚を決心しました。 弟嫁は結婚した時から料理が下手で、弟は最初はその下手な料理も一生懸命で可愛いと思って我慢し、 掃除が出来ない言い訳についても、世間知らずで か弱いから仕方がないと判断している情けなさでした。 ですが仕事で疲れて戻ってきた家の中が、通販で購入した物のパッケージや段ボールで散らかっていたり、脱いだ衣類が椅子に掛けてあるのが当たり前の状態は、 きちんとしている弟にはストレスになったようで、掃除は週末に自分でするようになっていたそうです。
やがて貯金が知らない間に減っていて、弟嫁が何に遣ったかをはっきり話してくれないことから、 「離婚を考えている」と私に相談してきましたが、私がまず弟に言ってしまったのは「どうして私の後輩と結婚せずに、弟嫁を選んだのか」ということでした。

弟はかつて 私の大学の後輩とつかず離れずの交際状態を続けた時期がありました。 後輩は美人で、しっかりした礼儀正しい女性で、大学時代は部活やゼミでの役割をバリバリこなし、今ではバリバリのキャリア・ウーマンになっています。 私は後輩を高く評価していて、弟を紹介したのも私です。2人が上手く行き始めたので やがて結婚するものと思い込んでいました。 ところが弟は会社の同僚に連れて行かれた合コンで出会った弟嫁に 頼られたり、甘えられたりするうちに恋愛感情が高まったようでした。
一時は私の後輩と弟嫁との間で かなり気持ちが揺れていた時期がありましたが、私に言わせると弟嫁は 表向きは可愛く振舞っていても、実は計算高くて、身勝手で、 男性を利用するタイプで、女性には本性が見抜けても、男性からはそれが分からない典型例でした。 だから私は後輩を推していたのですが、弟は 後輩がしっかりした女性で 1人でも立派に生きていける印象なのに対して、 弟嫁は「放っておけない、守ってあげたくなる か弱いタイプ」という、男性の愚かさを絵に描いたような判断を下して、弟嫁と結婚してしまいました。
すると半年も経たないうちに弟嫁は 新婚生活に飽きたようで、家事の手抜きにするようになり、家に居ないことが増えてきて、 最初は弟も ”惚れた弱み”とやらで、「1人で家に居ても退屈で寂しい」、「結婚しても学生時代の友達と離れたくない」という弟嫁に 寛容に接していました。ですが さすがの弟も、養っているのに自分のために何もしてくれない嫁に 徐々に不満が高まっていったようで、 「少しくらい出掛けるのは構わないけれど、家のことはちゃんとやって欲しい」と言ったところ、 「家事が苦手なのを承知で結婚してくれたはずなのに、今になって家事だけやって1日を過ごせだなんて…」と理不尽な言い訳をされて、弟嫁への愛情がどんどん冷めていきました。

私に「後輩と結婚していたら、そんなことにはならなかったはず」と言われた弟は、 自分でもそう思ったようで、ある時 後輩のマンション前で後輩が仕事から戻るのをずっと待っていたそうです。 そうしたら突然大雨が降って来て、諦めて帰ろうとしたところで 久々に後輩と再会することになり、ずぶ濡れの弟を 後輩はマンションに入れてくれて、タオルを渡して、コーヒーを淹れてくれたらしいです。弟は仕事で忙しいはずの後輩のマンションがきちんと整理整頓されて、掃除が行き届いていて、 コーヒーも豆にこだわっていて、おしゃれなポットで淹れてくれた様子を見て 「この人と結婚していたら、こんな生活が出来ていたんだ…」とショックを受けたそうです。 それだけでなく、その日は後輩が「何もないけれど」と言いながら、作り置きしていたおかずを使って、あっという間に夕食を作ってくれたらしく、 久しぶりに美味しい手料理を食べた弟は、いろいろと複雑な気持ちに襲われて、その場で泣いてしまったらしいです。
ですがそんな完璧な女性を世の男性が放っておくはずも無く、後輩は既に婚約中でした。後輩は弟とのことを「私達は縁が無かったから仲が先に進むことが無かった。 今の彼とは お互いの気持ちを詮索したりすることもなく、ごく自然に婚約に辿り着いた」と話したそうで、それを聞いて失恋したかのようなショックを受けて帰ってきたそうです。

以来、弟は自分の見る目の無さを責めて 「どうしてあの時…」と後悔ばかりしていて、 口の悪い私が「同じような選択で結婚に失敗した男性なんて沢山いる」と、 冗談半分に慰めているのですが、自分の情けなさを恥じてばかりいます。 周囲は未だ若いので、新しい相手を見つけてやり直すように勧めていますが、弟は 後輩がしっかりした素晴らしい女性であることを分かっていて、しかも結婚は恋愛感情に流されずに生涯を共にするパートナーを選ぶべきということも理解していて、 弟嫁には結婚前には「家事が苦手」とも言われていたのに、あえて 世間知らずで、依頼心が強い弟嫁の方を 「可愛い、妻にしたい」と判断した自分のことが自分でも理解出来ないそうで、 「その理由が分かるまでは再婚なんて考えられない」とまで言います。
秋山さんでしたら、弟の判断の誤りを どういう心理からだと分析されるでしょうか。 弟は研究職なので、ちょっと抜けていたり、のんきなところがある割には、気になることは解明せずにはいられない性格です。 秋山さんなら弟が納得するようなご説明をして下さるような気がしてメールをしています。
面倒なお願いで恐縮ですが、何卒アドバイスをよろしくお願いします。

- H -


依頼心が強い身勝手女性が恋愛で勝つ理由


私がHさんのメールを拝読して最初に思い出したのが ある心理分析データで、それによれば「男性は2人の恋愛相手で迷っている場合、 約80%が弱い方を選ぶ」とのことでした。
人間という生き物はそもそも弱い立場の方に好意や理解を示す生き物です。 スポーツの試合にしても、自分の思い入れがあるチームがプレーしていない限りは、試合に負けている側を応援したり、 ランキングが下で弱いと見なされる側を応援するのが人間心理です。 またピアノやバレエ等、様々な発表会で 幼い子供が見せるご愛嬌的なパフォーマンスが、遥かに技量が上の優秀なパフォーマンスと同等、 時にそれ以上の拍手喝采を浴びる光景は誰もが目にしたことがあるはずです。
すなわち弱い側を守ろう、支えようとするのは人間の本能と言えますが、 前述の心理分析データがあえて男性に絞られていたのは、トラディショナルな男女の力関係の影響で、 男性の方が結婚相手、恋愛相手として弱い女性を選ぶ傾向が顕著だからと言えます。 女性側も 「放っておけない」、「自分が居ないとこの人はダメ」という気持ちから、あえて気持ちや立場が弱い男性を選ぶケースはありますが、 その割合が80%に達することは無いはずです。 女性は男女平等の意識を持っていたとしても、恋愛や結婚に関しては男性に「頼りたい」、「守って欲しい」という意識を潜在的にでも抱いている傾向が強いので、 特に結婚に関しては 経済力や将来性を考慮しながら、安定と繁栄をもたらしてくれるパワフルな相手を望みます。

基本的に 女性が相手を「守りたい」という気持ちには母性が大きく影響しているのに対して、 男性が相手を守りたいという心理には、父性よりも支配欲の方が大きく影響しています。 そのため男性が か弱い女性、扱い易い女性、世間知らずに振舞う女性と結婚するのは、自分が築く家庭という名の城に 自分の脅威になる存在を受け入れたくないという意識が働いているからとも言えます。 自分が一番と考える「お山の大将」タイプほど この傾向が顕著ですし、男尊女卑タイプになると 「妻は自分を立てて、自分に従うべき」という思考を自分の理想像としてではなく、 世の中の常識として相手に押し付けることは珍しくありません。
そして結婚後に妻の給与の方が高額になるなど、妻に何等かの優位性が認められると、自分の権力が示せる手段、もしくは実感できる手段を 家庭の内外で模索することになります。その具体例が両親との同居によって自分の味方を増やす、自分を持ち上げてくれる相手と浮気をする等ですが、 家庭内でも権力闘争を繰り広げて自分の地位を誇示する男性は決して少なくないのです。

弟さんについて言えば、私がメールを拝読した印象では、Hさんが大推奨する後輩の女性に対して 何等かのコンプレックスを持っていたように見受けられます。 いろいろなことをバリバリこなす能力と美貌の持ち主でいらっしゃる後輩女性に 「自分が釣り合うのか」、「相手は自分で満足するのか」という不安から、 弟さんは正式に交際を申し込むことが出来なかったのかもしれません。 一方の後輩女性は自分のことをきちんとコントロールするタイプの女性ですので、相手の気持ちに踏み込むことは苦手なはずですし、 自分自身が傷つくことも恐れていたと思います。ですから2人の間では愛情の確認が腫物に触るような状況であったことは後輩女性が弟さんにおっしゃった 「今の彼とは お互いの気持ちを詮索したりすることもなく、ごく自然に婚約に辿り着いた」という言葉に良く表れていると思います。
そんな2人の間に、弟嫁さんのような甘え上手、世間知らずで、男性を頼って持ち上げるタイプが割り込んで来れば、 弟さんがそちらになびくのは当然と言えます。その状況ならば男性の殆どが 後輩女性より弟嫁さんを選ぶと思いますし、 そうした男性心理が 「聡明できちんとした女性よりも、我がままで 依頼心が強いタイプの方が 恋愛ではラッキー」という世の中の構図を生み出しているのだと思います。

”か弱さ”の正体

正直なところ私は、「か弱い女性を好んで結婚した男性が、幸せを持続する確率はかなり低い」という考えの持ち主です。 というのは本当にか弱い女性など、この世に存在しないからです。 男性の目から見た”か弱い女性”の正体は、 ”か弱く振舞っている強い女性” と ”自分の強さに覚醒する前の女性”です。 何度もこのコーナーに書いてきたとおり、世の中には本当に強い男性と、本当に弱い女性は存在しません。
私が常に不思議に思うことの1つが、虐めをするなど 強がっている人間ほど 実は精神的に弱いことが世の中一般に認識されているのに対して、 自分を弱く見せたり、弱者として振舞える人が、実際には強く、時に図太いまでの神経の持ち主であることを理解している人が少ないということです。
そうなってしまう原因の1つとして私が認識しているのは、弱い人間の強さというのが 「自分の弱さを貫く頑固さ」、「依頼心の強さ」として発揮されるためです。 要するに「弱い私にはそんなことは出来ない」という主張を周囲が動くまで貫くような事をやってのける訳ですが、 これは本当に弱い人間には到底出来るものではありません。 早い話が ”か弱い女性”というのは男性社会が作り上げた偶像なのだと思います。
その証拠に男性が”か弱い”と言って女性を持ち上げるのは、若い小柄な女性だけです。同じ体型と性格を維持したところで、年齢を重ねれば かつての ”か弱さ”は 「役立たず」に格下げされることになります。

弟さんに話を戻せば、後輩女性と弟嫁さんのどちらを選ぶかで迷っていた際に、Hさんが後輩を推していたことは、 結果的に逆効果になってしまったように思われます。 弟さんは理性のレベルでは後輩女性に、感情レベルでは弟嫁さんに 惹かれていた訳ですが、感情レベルのアトラクションや思い入れは 反対勢力などの逆風によって燃え上がる傾向にあります。そうなると感情が意地に変わりますので、テコでも動かない決心が固まることになります。 感情レベルのアトラクションを抑えるには、誰も反対せずに、本人に頭を冷やす時間を与えるのが一番です。 時間が経過しても理性的な判断に基づく価値は変わらない、もしくは高まる傾向にありますが、 感情に基づく価値観はピークが過ぎれば下降線を辿るだけです。

更に言えば、弟さんはどちらと結婚するかの決定権が ご自分にあったように考えていらっしゃるようですが、それは間違いのように思います。 たとえ弟さんが後輩女性選んで、弟嫁さんと別れていたとしても、2人が結婚まで辿り着く保証は無かったと私は考えます。 恋愛から結婚に至るには、お互いの波動がマッチする相乗作用が必要ですが、Hさんのメールを拝読する限り 失敗に終わった結婚をした弟さん夫妻にはそれが感じられても、弟さんと後輩女性の間にはそんな勢いやパワーは感じ取れませんでした。
結婚に至る関係というのは 自分で決断やコントロールをしているように思えたとしても、それは運命なのだと私は見ています。 離婚経験者の中には「相手を見る目が無かった」と反省する人が多いですが、 まともな判断力が備わった頭脳明晰な人でも 「どうしてこんな相手と…」という人と結婚していますので、 運命には抗えないということなのだと思います。そう考えると「あの時何故、何をどう間違ったのか?」と結婚の失敗原因を細かく探求しようとすること自体に無理があるように思います。
弟さんは研究職でいらっしゃるので、一度学んだ既成事実はきちんと今後に生かして下さるはずです。 ですからこの機会に 女性には 男性が分からない女性本来の姿が見抜けることを学んで、 自分の女性を観る目が信用できないのならば、今後は信頼できる女性の助言を仰ぐべきですし、 それと同時に「人生は決して自分が思い描くようには展開しないこと」も肝に銘じて頂きたいと思います。
そうすることによって次はしっかりした女性と幸せな結婚が出来ることは保証できませんが、 このセオリーをお仕事に生かすことにより、研究者としてはワンランク飛躍することが出来ると思う次第ですす。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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