Avout The United States
13のデータとチャートで観る 建国247年目を迎えたアメリカの
政治、カルチャー、ビジネス、メディアの側面
Published on 7/6/2023

アメリカのカルチャ―や政治観を含む 様々な側面を知る指針として用いられるものの1つが世論調査。
しかし近年では世論調査からでじは 選挙結果が読めなくなっており、現代人のライフスタイルに合わせた世論調査の方法が2024年大統領選挙に向けて模索されている状況。
それだけに正確に世の中を知る手掛かりと言われるのが、様々な角度から集めたデータとそれを元にしたチャートによる分析。
その認識が高まってからというもの、今ではありとあらゆるデータ・アナリシスが行われるようになって久しいご時世ですが、
ここに御紹介するのは、そんなアメリカの側面を垣間見せる13のデータとチャート。
アメリカは3年後に建国250周年を迎えるとあって、そのセレブレーションを機に 政治思想で二極化が激しい国を
1つに纏めるアプローチが様々な方面から行われる見込みで、その際にも時代の移り変わりや人々の嗜好、トレンドとその入れ代わりのスピード等を示す
データやチャートが大きな役割を果すと言われています。
ここでは、そんなアメリカのカルチャ―や時代の流れ、国民意識等を示す13のチャートをご紹介しています。
アメリカの死因、現実、国民意識、メディ報道の違い

強盗よりも、アメリカ国民のキャッシュを奪っていくのは…

バイデン政権が このところ積極的に掲げているのが、航空会社やコンサート・チケット販売会社によるサプライズ・フィー、すなわち知らない間にチャージされている手数料や、
後から加算されるフィーの撤廃や是正。事実、航空会社が荷物のチェックイン・フィーで近年大儲けしていることは周知の事実。
それが銀行業界になると、ドル箱収入源になっているのがオーバードラフト・フィー。これは支払いや引き落としの際に、銀行口座に十分な金額が無い場合に、
不渡りにするのではなく、銀行が不足分を立て替える代わりに請求する罰金のこと。このシステムには知らない間に加入させられていることから、
低所得者の中には その仕組みを理解している人が少なく、「お金が無いと思っていたけれど引き落としはOKだった」と安心したのも束の間、給与が入った途端にオーバードラフトフィーが差し引かれ、
しかも本人はそれに気付いていないケースが非常に多いのが実情。平均的なオーバードラフト・フィーは2021年の段階で1回35ドルで、
アメリカ社会は低所得者ほど週休制。そのため知らない間に毎週のようにオーバードラフト・フィーをチャージされているケースも珍しくなく、その場合、1ヵ月140ドルを知らない間い銀行に盗まれているようなもの。
捕まれば逮捕される強盗事件よりも遥かに多額の、年間約336億ドルが銀行によって合法的に庶民から奪われている計算になります。
ブラウザ普及度の推移にるIT業界の力関係

上のチャートは年代別のブラウザの普及度に見るIT業界のパワー構図。インターネットがスタートしたばかりの1995年に圧倒的なシェアを誇ったネットスケープは、
やがてインターネット・エクスプローラーの独占を許し、2010年に入るとサーチ・エンジンだったグーグルがクロームで割り込み、アップルがサファリを発表。
ネットスケープをベースにしたファイヤー・フォックスもシェアを拡大。2019年に入ると、インターネット・エクスプローラーが大きくユーザーを減らし、グーグル・クロームが成長。
今後はプライバシーが守れるブレーブ・ブラウザーもシェアを増やしていくことが見込まれます。
ブロックバスター・ビデオの盛衰

1986年、未だVCRにVHSとベータマックスが存在した時代にはアメリカに8店舗だったブロックバスター・ビデオ。それが2004年、DVDのレンタルになってからは
店舗数が5622件とファスト・フード・チェーン並みに拡大。
しかし2019年にはオレゴン州の1店舗のみで、同店舗はちょっとした観光名所にもなっていました。
ですが、つい最近ネットフリックスが DVDの郵送レンタル・ビジネスを終了。ストリーミングではメジャーな作品しか楽しめないことから、
インディー映画や幻のB級映画のDVDのニーズが高まり、遂にそのレンタル・ショップがLAにオープン。大盛況になっていることが伝えられます。
企業をデジタル化に動かしたのは?

上のグラフはビジネス・ソーシャル・メディア、LinkedInが375社を対象に行った「社内でのデジタル化が進んだ要因」を尋ねたアンケート調査。
その結果は、CEOやCTOの意向や努力ではなく、圧倒的にパンデミックによる自宅勤務がトリガーになった様子を示していて、
企業は方針や計画よりも、世情や環境の変化に迅速に対応する傾向が窺えます。
ソーシャル・メディアと広告コンテンツ

上のチャートはソーシャル・メディアに含まれる広告コンテンツを示したもの。圧倒的に多いのがフェイスブック、インスタグラムというメタ傘下の2つのソーシャル・メディア。
フェイスブックに陰謀説が多いのは、同社が広告主の発信コンテンツの取り締まりに甘いことが指摘されています。
年に1度、男性が平等を求める日とは?

世の中はどうひいき目に見ても男性社会。しかし年に1度だけ、男性が女性に対して不平等を感じる日と言われるのが
インターナショナル・ウーマンズ・デイ。というのもインターナショナル・メンズ・デイが存在しないためで、
グーグル検索では、毎年3月のインターナショナル・ウーマンズ・デイを迎えると、インターナショナル・メンズ・デイの検索数が大きくアップすることが指摘されています。
嫌われる”カレン”

カレンと言えば、理不尽な人種差別白人女性の総称となって久しい名前ですが、その影響で大きく低下しているのが”カレン”という名前の人気度。
1970年代には当時の人気ポップグループ、カーペンターズのカレン・カーペンター、1980年代には映画「インディアナ・ジョーンズ」の初代ヒロイン、カレン・アレンなど、
セレブにも見られた名前ですが、今や人気名前ランキングで600位以下に低迷。
逆に現在人気の女児の名前は、1位オリヴィア、2位エマがパンデミック前から不動のトップ2になっています。
高等教育と支持政党の関係

上のチャートは、2020年の大統領選挙の際の全米のカウンティ(群)での集計結果をもとに、バイデン&トランプ支持者の学歴を示したチャート。
トランプ氏が勝利したカウンティは赤いドット、バイデン氏が勝利したカウンティはブルーのドット示され、横軸は左に行けば行くほど熱烈なトランプ支持、逆に右に行けば行くほど熱烈なバイデン支持を意味しています。
縦軸は カウンティ内で大学卒業資格を持つ投票者の割合。すなわち高学歴でバイデン支持率が極めて高いカウンティはチャートの右上にブルーのドットとして表示され、逆に
高学歴市民が少ない熱烈なトランプ支持カウンティはチャートの左下にドットが表示され、パープルに染まっているエリアはブルーとレッドのドットが集中して重なっている状況。
これによって明らかなのは、熱烈なトランプ支持者が多いカウンティほど大学を出ていない市民が多いということで、これはトランプ支持者が多い南部中西部で顕著な傾向。
バイデン支持者は必ずしも高学歴とは限りませんが、高学歴の投票者にバイデン支持が多いことが見て取れます。
面積の上ではアメリカの大半を占める共和党支持のレッドステーツ、しかしその実態は…

アメリカは国土は日本の約26倍。そこに日本の約2.7倍に当たる3億3423万人の国民が暮らしているとあって、人口密度の格差は日本の比ではないのがアメリカ。
左上の小さななマップは共和党支持のレッドステーツと民主党支持のブルーステーツをそれぞれのカラーで示したものですが、
国土の多くがレッドで塗りつぶされているのが見て取れるもの。
直ぐ上の大きなアメリカ地図に示されているのは、民主党&リベラル派が大多数を占める カリフォルニア州ロサンジェルス群(赤く塗られた部分)に 如何に人口が集中しているかを示すマップ。
モンタナ州、ワイオミング州、ノース・ダコタ州、サウス・ダコタ州、アラスカ州というレッドステーツ、ヴァ―モント州、メイン州、ニューハンプシャー州、デラウェア州、ハワイ州というブルー・ステーツの計10州に加えて、
コネチカット州のうちのウィンダム郡、ニューロンドン郡の人口の合計が暮らしているのが、マップで赤く塗られたロサンジェルス。
同様にサンフランシスコ、ニューヨーク、ボストン、ワシントンDC、シカゴなど、リベラル派が住む都市は人口密度が極めて高く、面積は広くても人口密度がスカスカのレッドステーツと
極端な開きが出ています。
2020年の大統領選挙で、カニエ・ウエストに票を投じたのは?

上は2020年の大統領選挙で、カニエ・ウエストが票を獲得した州とその投票数。カニエ・ウエストは立候補が遅かったことから、
一部の州では投票用紙に名前が掲載されていない状態となっていましたが、彼が票を集めていたのはラップ・ミュージックよりもカントリー・ミュージックを聞いている人々が多い州。
圧倒的に共和党支持のレッドステーツになっています。
大学授業料がお金に見合わなくなっている?

バイデン政権が進めていた大学の学費ローン免除の政策を6月末に最高裁が覆しましたが、
今やアメリカの4年制大学の授業料は20万ドル以上。
上のチャートで分かる通り、アメリカの物価の約5.2倍の勢いで上がり続けています。
しかも学費をローンで支払っている人々は、それに加えて利息を支払うことになるので、益々授業料が高くつく計算になっています。
同性愛者に対する世論の推移

6月はLGBTQ+のプライド月間でしたが、キリスト教が多いアメリカでは今も同性愛を認めない人々が多いのは周知の事実。
6月末には宗教的見地から 同性愛者の結婚のウェブサイトの作成を拒否したウェブデザイナーの行為を最高裁が
認める判決を下して衝撃を与えていましたが、アメリカが同性愛者に対する態度を徐々に軟化させてきたのは1990年代以降。
同性愛に極めてオープンな人々が増え、同性愛を極端に嫌う人々が減っている様子が見て取れますが、
曖昧な意見を持つ人々の数は過去50年間、殆ど変わっていないのも また事実です。


![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |




★ 書籍出版のお知らせ ★


当社に頂戴した商品のレビュー、コーナーへのご感想、Q&ADVへのご相談を含む 全てのEメールは、 匿名にて当社のコンテンツ(コラムや 当社が関わる雑誌記事等の出版物)として使用される場合がございます。 掲載をご希望でない場合は、メールにその旨ご記入をお願いいたします。 Q&ADVのご相談については掲載を前提に頂いたものと自動的に判断されます。 掲載されない形でのご相談はプライベート・セッションへのお申込みをお勧めいたします。 一度掲載されたコンテンツは、当社の編集作業を経た当社がコピーライトを所有するコンテンツと見なされますので、 その使用に関するクレームへの対応はご遠慮させて頂きます。
Copyright © Yoko Akiyama & Cube New York Inc. 2023.