Immigration Policy was Used for Crime Schime?
強硬な不法移民狩りを逆手にとった犯罪に
まんまと乗せられたICE(移民関税執行局)の失態とは?

Published on 6/19/2025


アメリカでは、トランプ政権による不法移民の強制送還が物議をかもして久しい状況ですが、 最も物議を醸しているのは、国土安全省やICE(移民関税執行局)が、移民ステータスを確認せずに 人々を逮捕したり、身柄を拘束すること。
それによってグリーン・カードを持って居ても、アメリカ市民であっても身柄を拘束されるケースがレポートされてきたのは アメリカに住んでいる人々にとっては周知の事実。 またグリーン・カードを持って居る場合でも、トランプ政権に対する批判、反発を公に行った場合、 グリーンカード剥奪、それにより滞在が不法になることから、不法移民として 収容所送りをされた後、国外に強制送還というケースが何件も報告されましたが、 ここに御紹介するのがそんなトランプ政権の移民狩りを逆手にとって利用した犯罪なのだった。




5月末に国土安全省長官で、数々の物議を醸してきたクリスティ・ノームがプレスリリースで高らかにメディアに通達したのが、 トランプ大統領暗殺を企てる不法移民を逮捕したニュース。
そのプレス・リリースに添えられていたのが、ウィスコンシン州ミルウォーキーに住む不法移民、レイモン・レイアスがトランプ氏に送付したという 手書きのレターで、そこには彼の名前、住所が明記されていただけに、捜査と逮捕は至って簡単だったと思しきもの。 しかし そのニュースが報じられてからというもの、国土安全省の言い分に筋道が通らないという声が続出。 地元ミルウォーキーの警察が動いた結果、明らかになったのが レイアスが別の犯罪者によって陥れられたという事実。
程無くしてミルウォーキー郡の検事は、ミルウォーキー在住のある男性を レイアスの名前とIDを使用して 大統領暗殺の手紙を送付した個人情報窃盗罪に加えて、証人脅迫の罪で告訴したのだった。 すなわち地元警察が動かなければ、レイアスは 国土安全省とICEにより、不当に国外への強制送還をされていたのだった。




レイアスを陥れた人物が誰かといえば、名前はデメトリック・スコット(写真上左)。 レイアスの名前と住所使ってトランプ氏に脅迫状を出した理由は、スコットが強盗罪で逮捕され、 翌月行われるその裁判でレイアスが証言をすることになっていたため。
スコットの犯罪は、被害者であるレイアスの証言さえなければ立証できないとあって、レイアスがメキシコ系であることを利用し、 「例え一時的でも国外追放されてしまえば、自分は無罪」と考えて、及んだのがこの犯行。 そして、それに見事に乗せられ、強制送還までは行かなくても、レイアスの身柄を拘束してしまったのが国土安全省とICEなのだった。
こんな犯罪に国土安全省とICEの移民狩りが利用されてしまうのは、 前述の通り 身柄拘束に際してイミグレーション・ステータスのチェックもしなければ、 国外追放に際して、裁判を含む本来必要な法的プロセスを一切行わないため。 そのずさんなやり口は大きく報じられ、問題視されながらも放置されていることから、 スコットのような犯罪者に悪用されても決して不思議ではないのだった。




一度国外追放が決まると、移民もグリーンカード・ホルダーも、最悪の場合は出身国に関わらずエルサルバドル、 それより少しマシな場合はグァテマラに送還されるが現時点で、そこから法的手段で身柄返還を求めるのは大変なプロセス。 特にヒスパニック系は弁護士を巻き込んだ家族ぐるみで何週間も掛けてそれに取り組む様子が伝えられる中、 ティーンエイジャーや子供が親兄弟と引き離されて身柄を拘束され、そのまま行方が分からなくなるケースも多数発生。 そうなるのは、ICEやPoliceと書いたユニフォームや防弾ベストもどきが、簡単にインターネットで手に入り、 ICEが令状やIDを提示することなく、不法移民を連れ去るのが常套手段。 銃社会アメリカでは、捜査官や警察官でなくても銃のオープンキャリーができる上に、 昨今では移民逮捕を強化するために、地方では民間シェリフにも移民取り締まりの権限を与えていることから、 ICEを装った誘拐は極めて簡単になっているのが現在のアメリカなのだった。


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