元ミシュラン3ツ星レストランのペストリー・シェフがクリエイト
売り出し3分以内に完売するグルメ・フィリピーノ・ドーナツ
Published on 9/25/2020

ニューヨークではパンデミックのロックダウン以降、レストラン、カフェ、ベーカリーを含めた約1000軒の飲食業が閉店、撤退に追い込まれていますが、
そんな中、売り出しと同時に3分で完売するほどの大人気を博しているのがここにご紹介するコラ・ベーカリーのグルメ・フィリピーノ・ドーナツ。
コラ・ベーカリーは、6月にオンライン販売をスタートしたばかりで、
見た目にもユニークなドーナツのクリエーターは、ニューヨークNo.1の呼び声が高いミシュラン3ツ星レストラン、イレブン・マディソン・パークで
ペストリー・シェフを務めた経験を持つキンバリー・カマラ。
その彼女は今年3月のロックダウンの際に当時勤めていたユニオン・スクエア・ホスピタリティ・グループをレイオフされたとのことで、
当初サイド・ビジネスとして始めたのがドーナツの販売。
それが今では800人がウェイトリストに名を連ねるまでに大ブレークしてしています。


キンバリーのドーナツがブレークしたのは、彼女がフィリピン料理のデザート・フレーバーやアイデアを
ドーナツに盛り込むようになってから。
そのエキゾティックな食材とキンバリーが3ツ星レストランで培った見目麗しいペストリーを生み出すセンスによって生み出されたのが
誰も味わったことが無いようなユニークなドーナツ。
例えば写真下は コラ・ベーカリーのシグニチャーの1つである紫芋のカスタードを詰めて、紫芋のグレーズをトッピングし、紫芋のチップスで
デコレートしたドーナツ。これはキンバリーが今年6月に友人のバースデー・ケーキを作った際に残った紫芋のカスタードと、
ちょうどその時手元にあったブリオッシュのドウで何かデザートが出来ないか?と考えているうちに
ドウを揚げて クリームをフィリングにするアイデアを思いつき、トライしたところ あまりに美味だったので製品化したもの。

写真上は、もう1ツのシグニチャーであるレチェ・フラン・ドーナツ。フランはスペイン、もしくは南米料理のプリンであるけれど、
ブリオッシュの生地の中央に収まっているフランは、塩漬けした卵黄とコンデンス・ミルクで作られた通常のプリンよりも濃厚でクリーミーなもの。
そのほかにもライス・クリスピーをミックスしたチョコレート・カスタード、スウィート・コーンをミックスしたクリーム・カスタード等、
意外性のあるアイデア、インスタグラマブルな見た目のアピール、そして何よりグルメな味わいで あっという間に口コミ人気が広まっているのだった。



お値段はアメリカの相場でドーナツとしてはかなり高額な6.5ドル。
毎週月曜にオンラインでオーダーがスタートし、前述のように3分で完売する人気ぶり。
コラのドーナツは、レストラン・デザート並みに手が込んだものばかりなので、
1週間に生産できるのは現時点では175〜275個。そのため1回にオーダーできるドーナツは1人10個まで。
月曜に受けたオーダーを注文者がデリバリー、もしくはピックアップで受け取れるのは金曜日。
ピックアップの場合は、コラ・ベーカリーがあるクイーンズのウッドサイドまで足を運ぶことになるのだった。



シグニチャー・アイテムを除いては毎週新しいフレーバーがメニューに加わっており、
カラフルでユニークな材料の意外な組み合わせがドーナツというシンプルなデザートに
刺激的な味わいと食感をもたらしているのがキンバリーのクリエーション。
現時点ではあまりに競争率が高く、「何時になったら味わえるやら…」と嘆くニューヨーカーが多い一方で、
一度味わった人々が「苦労をしてもまた食べたい」と思うところは
2013年5月にドミニク・アンセルのクロナッツがデビューした際のセンセーションを彷彿させるもの。
パンデミック中にNYから久々に生まれたメガヒット・デザートになっているのだった。


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