TV & 映画版「セックス アンド ザ シティ」に登場し、
今もNYでサバイブしているレストラン、カフェ&バー
Published on 3/26/2021

パンデミック中に21クラブ、ボートハウスといったNYの有名レストランがクローズする度に、
そのプロフィールとして語られていたのが「セックス・アンド・ザ・シティにも登場したレストラン」という肩書き。
1998年にTVシリーズの放映がスタートし、2004年に最終であるシーズン6の放映が終了。
その後2008年に1本目の映画が、2010年に2本目の映画が公開された「SATC」は
この春からその続編にあたるTVシリーズ「And Just Like That…」の撮影がNYCでスタートする予定。
「SATC」と言えば 「NYの街が5人目の主役キャラクター」と謳うほど TV版でも映画版でも、ニューヨークのレストランやバー等、その時々のホットスポットを
ストーリーに関わるフィクションのスポットと混ぜてフィーチャーし、リアルでエキサイティングなNYCを描いてきたことで知られる存在。
TVシリーズがスタートしてから22年が経過し、2本目の映画が公開されてから10年が経過しているので、
他都市よりレストラン業界の生き残りと入れ替わりが遥かに激しいNYでは 「SATC」の中でアイコニックにフィーチャーされた多くのレストランが
パンデミックを迎える以前にクローズしているのが実情。
ここではそんな「SATC」に登場し、今も生き残るNYCのスポット13軒をご紹介していますが、
「SATC」は世界中に熱心なファン層を抱えるだけに、
番組に登場したことで 旅行者マグネットにとして生き残ってきたスポットが含まれているのは事実。ですが、その多くは本当にニューヨーカーから長年愛されていることから
生き残っているスポット。ちなみにパンデミック中に閉店が伝えられた前述のボートハウスは、早くも3月29日からの営業再開がサプライズ・ニュースとして報じられています。
Pastis / パスティス

TV版「SATC」のシーズン6で、ミハイル・バリシニコフ扮するアーティスト、アレクサンダー・ペトロウスキーとブランチに出かけたキャリーが、
アレクサンダーの友人たちと出くわして、一緒に食事をするシーンに登場したのがパスティス。
その際に友人の1人が「There's ten thousand restaurants in New York and everyone's at Pastis.」というセリフは
あまりにも有名で、それほどまでにセレブを含むニューヨーカーが常連になっていたのがパスティス。
レントの契約の関係で一時クローズしたパスティスが、ミートパッキング・ディストリクトのオリジナル・ロケーションの1ブロック先、
52 Gansevoort Streetに再オープンをしたのは2019年のこと。パンデミック中もNYのアウトドア・ダイニングの人気スポットとなっていたのがパスティス。
同じレストランターが経営するソーホーの長寿人気スポット、バルタザールも シーズン1の「SATC」にボルザックという名前の架空のロケーションで登場。
このエピソードでは、キャリーとサマンサがどんなに待ってもテーブルにつけないという設定で、1997年にオープン以来、セレブでもテーブルが確保できなかった
当時のバルタザール人気を番組内で再現していました。
Eleven Madison Park / イレヴン・マディソン・パーク

TV版「SATC」のシーズン2で、Mr.ビッグとランチをすることになったキャリーが選んだのがミシュラン3つ星レストランのイレヴン・マディソン・パーク。
ランチもディナーも同じプリフィックス・メニューをサーヴィングするようになって久しい同店ですが、「SATC」にフィーチャーされたのは
まだ普通にランチ・メニューを提供していた時代。この席でMr.ビッグにナターシャとの婚約を告げられたキャリーが、怒ってレストランを出ていこうとする際に
階段で躓きそうになって「These steps are very dangerous!」とレストランに八つ当たりするシーンがありましたが、それは数年前の改装の際に
取り除かれています。レストランのインテリアも番組に登場した時とすっかり変わっていますが、同店の長年のファンの間では「SATCに登場した時代のインテリアの方が
良かったと」との声も聞かれています。パンデミックのロックダウンでクローズする前の2019年の段階で、イレブン・マディソン・パークのコースメニューのお値段は
ドリンク、税金、チップを含まないお値段が335ドル。2人で食事をした場合、総額1100ドルが目安となっていました。
Tao Uptown / タオ・アップタウン

タオはマンハッタンに2軒ありますが、TV版SATCでキャリーとジャス・クラブ・オーナーのデートスポットとして登場したのは、
るミッドタウンのフォーシーズンス・ホテルの並びのロケーションで、今ではタオ・アップタウンと呼ばれています。
ミートパキングにあるタオ・ダウンタウンの方がサイズ、インテリア共にアップスケールですが、根強い人気を持続しているのがアップタウン・ロケーション。
タオは以下で登場するブッダカン同様、クラビーな雰囲気がウリのパン・アジアン・レストランで、
ドリンク・スポットとしても人気になっています。
Il Cantinoli / イル・カンティノーリ

TV版のSATCのシーズン4で35歳を迎えたキャリーのためにサマンサがバースデー・ディナーを企画したイタリアン・レストランがイル・カンティノーリ。でも誰も現れず、
自分のためにオーダーされたバースデーケーキの代金を自分で支払って、帰ってくる途中でそれを道に落としてしまう最悪の展開がエピソードで描かれていました。
トスカーナ料理をサーブする同店はニューヨークのイタリアン・レストランの中でも老舗中の老舗。
ウエスト・ヴィレッジの住人を中心とした長年の顧客に支えられているレストランです。
Magnolia Bakery / マグノリア・ベーカリー

ニューヨーカーが「歯が溶けるほど甘い」と評するのがマグノリア・ベーカリーのカップケーキ。
1996年にオープンしたマグノリア・ベーカリーが 未だウエスト・ヴィレッジに1店舗しかなかった時代にTV版のSATCのシーズン3でミランダとキャリーが
味わっていたのが同店のカップケーキ。今ではバナナ・プディングの方が同店の人気のメニューになっています。
Cowgirl Hall of Fame / カウガール・ホール・オブ・フェイム

1989年にウエスト・ヴィレッジにTex Mex(テキサスとメキシコ料理のフュージョン)レストランとしてオープンした同店は
TV版のSATCのシーズン3のエピソードで、キャリー&ミランダが、ガールフレンドと一緒にビールを飲んでいるスティーブとエイデンに遭遇するレストランとして登場。
パブリシティなど獲得しないタイプのネイバーフッド・レストランですが、それだけにスティーブとエイデンがハングアウトするスポットというイメージにはピッタリの店。
パンデミック以降は、SATCのイメージよりも少々寂れた印象になってしまっています。
Russian Samovar / ロシアン・サモヴァ―

TV版のSATCシーズン6でキャリーとアレクサンダーが最初にディナーを午前1時にしたのがこのロシアン・レストラン。
ジャムを入れたロシアン・ティーを味わうシーンが印象的でしたが、実際の店内は写真上右のようなスペースで、
撮影が行われたのは上のフロアのプライベート・ルームとのこと。
SATCのシーンを頭に描いて出かけると、全くイメージが違う思いをするスポットです。
Roul's / ラウルズ

映画版SATCの1本目で、ヴァレンタイン・デイにキャリーとミランダがディナーをしたのがこのソーホーのプリンス・ストリートにある老舗フレンチ・レストラン。
ウェイトレスにレズビアン・カップルと間違えられ、「Mr.ビッグがウェディングから逃げ出した原因が自分にある」とミランダがキャリーに打ち明けたのが同店のシーンでしたが、
店内の風船だらけのデコレーションは通常、ラウルズがニューイヤー・イヴに行っているもの。
故カール・ラガーフェルドから、モデルのエルサ・ホスクまで、ファッション業界関係者やソーホーの住人に常連客が多いレストランです。
Bemelmans Bar / べメルマンズ・バー

映画版SATCの1本目でジェニファー・ハドソン扮するキャリーのアシスタントを連れてキャリーがドリンクに訪れたのが
マディソン・アベニューのカーライル・ホテル内のこのバー。アッパー・イーストサイドに住んでいる設定になっていたキャリーにとって、
ここはネイバーフッド・バー。ウッディ・アレンの映画「レイニーデイ・イン・NY」にも登場していたこのバーですが、
実際にアッパーイーストサイドのニューヨーカーにとっては長く行きつけになっている最も落ち着けるバー。
常連客が非常に多いスポットです。
Buddakan / ブッダカン

映画版の「SATC」の1本目で、キャリーとビッグのウェディングのリハーサル・ディナーをサマンサがホストしたのがこのレストラン。
地下にある大きなコミュナリー・テーブルのダイニング・ルームがその会場というセッティングで、キャリーとビッグが2人で
ゲストに祝福されながら階段を降りるシーンが印象的だったレストラン。
料理はパン・アジアンで、かつてほどトレンディではないものの、ミートパッキングというロケーションとクラビーな雰囲気、アップスケールなインテリアで、
旅行者に大人気の長寿レストランになっています。
The Modern / ザ・モダン

ミッドタウンのMoMA(近代美術館)の中にあるザ・モダンはユニオン・スクエア・ホスピタル・グループ傘下のミシュラン・スター・レストラン。
映画版の「SATC」の1本目で、キャリーがビッグとの婚約をミランダとシャーロットに話し、興奮したシャーロットが店内にそのアナウンスをするシーンに
登場したのが同店。2020年2月には同店のVIP客がニューヨークでいち早くコロナウィルスに感染していたことが明らかになり、
店を2日間クローズして消毒作業が行われましたが、その後のロックダウン以降はずっと休業したままになっています。
Junior / ジュニア

映画版の「SATC」の1本目の終盤で、シティ・ホールで結婚したキャリー&ビッグが、サマンサ、シャーロット、ミランダ、及びその家族たちと
合流してラスト・シーンで一緒にブランチを楽しむシーンで登場しているのがブルックリンのジュニア。
チーズ・ケーキで有名な同店には、オバマ元大統領が訪れたこともあります。
8 1/2 / エイト・アンド・ハーフ

シーズン4、エピソード2「Real Me」のオープニングで、キャリーとスタンフォードが一緒にドリンクをしているところに、
マーガレット・チョウ扮するディレクターがやってきて、ランウェイ・ショーへの出演をキャリーに依頼するシーンに登場したのが
エイト・アンド・ハーフのバー・セクション。
地下のあるこのレストランは、レッド・カーペットを敷いたステアーケースを降りて店内に入る瞬間にランウェイを歩いているような気分が
味わえるスポット。5番街に程近い57丁目、バーグドルフ・グッドマンの並びというロケーションで、
バーエリアの奥にあるのが落ち着いた雰囲気のダイニング・ルーム。
今では全く話題にならないレストランですが、SATCとロケーションのお陰で 旅行者が引き続き訪れることから生き残ってきたのが同店です。


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