 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
マンハッタン ウェスト プラザにオープンした 不健康で高額＆ホットな
New地中海レストラン ”Zou Zou's”、 その人気ディッシュ
Published on 5/13/2022
ロックフェラー・センター以来の大開発と言われて2019年3月に第一フェイズがオープンし、ハドソン・ヤーズから10th Ave.を隔てた東側に位置するのがマンハッタン・ウェスト(写真下左)。
このエリアはマンハッタンのマディソン・スクエア・ガーデンのすぐ西側で、現在大開発が行われている真っ最中。
最寄り駅のペンステーションのリニューアルに加えて、以前郵便局だったファーレイ・ビルディングが巨大なオフィス・コンプレックスに生まれ変わり、
ここはフェイスブックが既に大規模なオフィス・スペースのテナント契約をパンデミック中に交わたことが伝えられています。
マンハッタン・ウエストもそんな大規模オフィス・ビル＆商業施設で、地上67階のモダンな高層ビル。オフィステナントには
NHL(ナショナル・ホッケー・チーム)、アクセンチュア、マッコール・スミスといった大手企業が入居し、フード＆ドリンク・スポットも28軒のラインナップ。
その顔ぶれはウェスト・コーストから初進出したスシ店のカツヤ、スターバックス、ホールフーズ、
ユニオン・スクエア・ホスピタリティ・グループ傘下のイタリアン ”シ・シアーモ”、同じくユニオン・スクエア・ホスピタリティ・グループ傘下のベーカリーでフレンチ・クルーラーが名物の
”デイリー・プロヴァンス”(写真下、右上)等、近隣オフィスで働く人々と旅行者のブレックファスト、ランチ、ディナーのニーズを満たすもの。
その中にオープンしたZou Zou's / ズズス は、今口コミでニューヨーカーの間で人気が高まっている地中海レストラン。
マンハッタン・ウエスト・プラザにはもう１軒”カーサ・ダニ”(写真上、右下) という地中海レストランが存在していて、
そちらは同じ地中料理でもスパニッシュ・フードをルーツにし、インテリアはベージュ系で統一したハイエンドの雰囲気。
一方のZou Zou'sは、同じ地中海でもレバノン、イスラエル、トルコ、エジプト、シリア、ヨルダンといったエキゾティックな国々をルーツにした
これまでの地中海料理のイメージとは若干異なるフード。メインディッシュは肉が中心で、フライドチキンなどの揚げ物も多く、
スパイシーでカロリーも高め。
それだけにヘルシー志向とは無関係に人気を博しているスポット。
インテリアを担当したのはヒップなレストラン・デザインで様々な賞を受賞してきた AvraKo/アヴラコ。
地中海料理のレストランというと、地中海を取り巻くギリシャの建物のような無彩色でどことなく海を感じさせるものが多い中、
Zou Zou'sのインテリアは大皿をシェアするパーティー感覚のダイニングに合わせたフェスティブなもの。
エリアは大手企業のメインオフィスや、ハドソン・ヤーズ内のエキノックス・ホテルを始めとする1泊700ドル以上のホテルが多いとあって、
カロリーと共に高めに設定されているのが同店のディッシュ。
それだけにZou Zou'sの目玉とは言えないディッシュをオーダーすると、「ぼったくりレストラン」と思う人も少なくありませんが、
同店が得意とする人気の不健康フードに絞ってオーダーしたニューヨーカーの間では、リピーターが非常に多いのが実情。
以下ではそんなZou Zou'sの人気ディッシュをご紹介していきます。
写真上左は、Zou Zou'sのスターターとして誰もがチョイスするディッシュ。
Zou Zou'sのメニューには4種類のフラットブレッドがありますが、そのうちの Bazlama/バズラマ というトルコのパンとディップの盛り合わせ。ディップは全５種類。3種類で25ドル、全てオーダーすると35ドル。
ディップの種類はチックピー(ハマス)、ローステッド・エッグプラント、ホイップド・リコッタ、グリーン・タヒーニ、カボチャ・スクワッシュで、いずれもパンがあっという間になくなってしまうヤミツキになる美味しさ。
別の種類のパンを別途オーダーするテーブルも多いほど。
中央はデイボート・スカロップ。生の貝柱の食感とシェビーチェで、ラズベリーとハイビスカスのドレッシング、パインナッツのアクセントがたまらない一皿。このディッシュは
如何にも地中海料理という雰囲気ですが、味付けが濃い目で、甘さも若干強いのが特徴。
右側はテーブルで、火をつけて表面をあぶるホット・カッサーリ・チーズ。鍋一杯に溶けたチーズ・ディップに レバノン・スタイルのフォッカッチャ・ブレッドをディップして味わうもので、
チーズ好きやピザ好きにはたまらない一皿。メニューを見た時は興味が無い人でも、テーブルで火をつけるパフォーマンスに惹かれてオーダーしてしまうケースが多いようです。
写真上左は、フィロ―(地中海のパイ皮)にビーフのスタッフィングを詰めてカリカリにフライにしたマンティ。マヨネーズのようなヨーグルト・ソース＆フライド・トマトとビーフとのマッチングが新鮮なディッシュ。
ソースの軽さにカモフラージュされているものの、かなりの高カロリー。
中央はフィレミニヨンを串刺しにして、ミドル・イースタンのスパイスと甘みを利かせたイエメン・スタイルのカバブ。一度味わうとステーキより美味しいと感じるものの、
これだけで52ドルという高額が玉にキズ。
右側は赤キャベツと、キャンディド・ピーカン、ハニー・クリスプ・アップルのサラダがフィローでカバーして運ばれて来るファットゥーシュというディッシュ。
運ばれてきてから、フィロ―を砕いて味わいます。全体の味と風味、食感のバランスが
評価されている一押しサラダ。他の料理を味わう罪悪感を緩和してくれるものの、これもさほど健康的とは言えないディッシュ。
写真上左は、Zou Zou'sのマスト・トライ・ディッシュであるダック・ボレック。バルカン半島や旧オスマン帝国の領土でもてはやされてきた料理で、
ダック・ソーセージをマルクークのパイ皮のレイヤーに詰めてカリカリに焼き上げた後、オレンジ・シロップで黄金色に仕上げたもので、
ダックの味わいとオレンジ・シロップの甘味のバランスと食感が芸術的で、他では味わえない絶品。
写真上右はファイヤー・ローステッド・レッグ・オブ・ラム。巨大サイズの骨付き肉で、
テーブルに運ばれてきた後、サーバーが食べ易く、添えられているフラットブレッドにラップし易くナイフでスライスしてくれます。
グループ・ダイニングを盛り上げてくれる4〜6人分のディッシュで、お値段は130ドル。
写真上左は、フライドチキンが大好きなアメリカ人に人気の”モロッカン・フライド・チキン”。衣が甘辛く、クリスピーでスパイシー。
一緒に写っているのは やはり表面がカリカリに揚がったラトケス。
中央は、スモークド・チェリー・ベイビー・ラムチョップ。その名の通りチェリーの味わい深い甘めのソースとジューシーな肉の焼き具合が絶妙のディッシュ。
一番右はデザート3品。オリーブ・オイルを掛けた”フローズン・ヨーグルト”、パイナップルをグリルして甘味を引き出した”チャード・パイナップル”、そしてZou Zou'sの名物デザートである
カタイフィ・チーズケーキ。フィロのレイヤーの間にナッツやクリーム・チーズのドットを挟み、細かく刻んだカタイフィのフライをトップに乗せて、
乾燥させたラズベリーの粉末をトッピングした他には無いデザート。フード評論家の中にはNYのベスト・チーズ・ケーキと絶賛する声も聞かれていますが、
お値段も立派で18ドル。
現時点でマンハッタン・ウエスト・プラザだけでなく、ハドソン・ヤーズを含めた開発エリアで最も集客力のあるレストランの1つになっているのZou Zou's。
オープン早々ニューヨーカー に不人気だったハドソン・ヤーズは、旅行者にはマンハッタンの新名所としてアピールしたものの、
パンデミックのロックダウンによって大打撃を受けて、著名シェフ、トーマス・ケラーのタップルームを含むレスとガンが次々とクローズ。
目玉アトラクションであった登れるオブジェ、ヴェッセルも自殺の名所になってしまったことから入場禁止になるなど、不運続き。
またこのエリアは前述のようにオフィス街として開発されており、現時点では まだまだ自宅からのリモート勤務が多いことから、
見込んでいたほどのオフィス・ワーカーのトラフィックが未だ獲得できていないのが現在。
それよりもこのエリアに圧倒的に多いのが旅行者。新しく建設されたばかりの高額ホテルは、
本来はビジネス・トリップのエグゼクティブや、ビジネス・コンベンションにやってくる企業バジェットを持つ人々の滞在を狙っていましたが、
現時点では多額のバジェットがある新しい物好きな旅行者が主要な滞在者になっています。
そんな中にあってZou Zou'sは、このエリアへの通勤とは無関係のニューヨーカーが料理を目当てにやってくる数少ないレストラン。
ニューヨークではパンデミック中にミドル・イースタン系のエスニックフードの人気高まっていたこともあり、
同店でしか味わえない独特の料理の数々はフード・クリティックも賞賛し、数々のパブリシティを獲得。
メインがメインの地中海料理が苦手な人々でもZou Zou's料理は大きくアピールしており、逆に魚料理をオーダーするとガッカリすると言われほど。
既にご紹介したお値段からも分かる通り、お値段はマンハッタンのレストランの中でも高めに設定されているので、同店を楽しむには
事前にメニューと料理のポーションを理解して、賢くオーダーするのはマストになっています。
Zou Zou's
385 9th Ave. (31St.) Ste 85 New York, NY 10001
Website:https://www.zouzousnyc.com/
 |
 |
 |
 |
 |
★ Q&ADV 書籍出版のお知らせ ★
当社に頂戴した商品のレビュー、コーナーへのご感想、Q&ADVへのご相談を含む 全てのEメールは、 匿名にて当社のコンテンツ（コラムや 当社が関わる雑誌記事等の出版物）として使用される場合がございます。 掲載をご希望でない場合は、メールにその旨ご記入をお願いいたします。 Q&ADVのご相談については掲載を前提に頂いたものと自動的に判断されます。 掲載されない形でのご相談はプライベート・セッションへのお申込みをお勧めいたします。 一度掲載されたコンテンツは、当社の編集作業を経た当社がコピーライトを所有するコンテンツと見なされますので、 その使用に関するクレームへの対応はご遠慮させて頂きます。
Copyright © Yoko Akiyama & Cube New York Inc. 2022.
