74億円割引でも買い手がつかない!? 映画「ゴッドファーザー」、
「ボディガード」、ビヨンセの「Black Is King」に登場した大邸宅
Published on 8/28/2020
7月末にディズニー・プラスで公開されて期待外れの視聴率に終わったのがビヨンセのビジュアル・アルバム・フィルム、「Black is King」ですが、
その中に登場していた大邸宅がハースト・ビバリーヒルズ・マンション。
ここはサンフランシスコ・クロニクル紙、雑誌のコスモポリタン、エスクワイア、複数のケーブルTV局のオーナーでもある
ハースト・コーポレーションの創設者、ウィリアム・ランドルフ・ハーストの私邸で、
1953にはジョンF・ケネディ大統領とジャクリーヌ夫人がハネムーンで滞在し、ケネディ氏が大統領選挙に出馬した際には西海岸の選挙事務所にもなっていた場所。
その後1970年代には映画「ゴッドファーザー」でマーロン・ブランドが扮したヴィトー・コルレオーネの邸宅のロケーションに選ばれた他、
1990年代にはホイットニー・ヒューストンとケヴィン・コスナーが共演した映画「ボディガード」にも登場。
そのハースト・ビバリーヒルズ・マンションが売りに出されたのは2016年のこと。
当時の売り出し価格は1億9500万ドル(約207億円)で、その時点でアメリカで最も高額な邸宅となっていましたが、
4年が経過しても一向に買い手がつく気配がないのがこの物件。
今ではその価格が7000万ドル(約74億円)割引の1億2500万ドル(約133億円)にまで下落。
現在のアメリカは低金利を背景に空前の不動産ブームになっていますが、
メガリッチの人々にとっても1億2500万ドルはあまりに高額。加えて多々問題があるのがこの物件。
以下ではそのハースト・ビバリーヒルズ・マンションルのランドスケープとインテリアを紹介しながら、売れないと言われる問題点をご説明しています。
ハースト・ビバリーヒルズ・マンションルの目玉になっているのが3.5エーカー総敷地面積の美しいランドスケープ。
邸宅のパティオから見渡すスイミング・プールはオリンピック・サイズで、それを取り囲む庭園は完璧なシンメトリー・デザイン。
ビヨンセが「Black is King」のロケーションにも使っていたのがこの美しい庭園。
直ぐ右上の車寄せのあるフロント玄関は映画「ゴッドファーザー」に登場した場所。
この他敷地内にはテニス・コートもありますが、庭園とプールの管理費だけで年間に億円近くが出て行く上に、
邸宅の掃除やメンテナンスに最低4人のスタッフが必要と言われています。
プールとガーデンを見渡す巨大なパティオの中央には噴水があり、立食、着席のパーティーが可能なスペース。
邸宅の外壁のテラコッタ色はバイヤーの好き嫌いが分かれるポイントになっています。
写真上2枚は共に英語でシッティング・ルームと呼ばれるエリア。調度品にお金がかかっているものの、家具や照明も含め
かなりクラシックで時代遅れ的印象になっています。
写真上は個人宅というよりもヨーロッパのホテルのような雰囲気。実際に邸宅内には寝室だけで18室、
バスルームの数は25。ブティック・ホテルとして経営出来るサイズになっています。
写真上はダイニング・ルームの1つで、鏡と窓に囲まれたスペース。シャンデリアが鏡の反射でいくつも吊られているような
視覚効果を生み出しています。フォーマル・セッティングの割には床がレンガ・タイルのカジュアルさで支離滅裂な印象です。
写真上はスタディ(書斎)とビリヤード・テーブルがあるプレイ・ルーム。
どちらもファイヤープレースがアクセントになったオールド・ファッションのヨーロピアン・インテリア。
邸宅内の照明の殆どがシャンデリアですが、これも維持費が掛かるポイントの1つで、
掃除や電球の取り換えにはプロを雇うのが通常です。
写真上は共にダイニング・エリア。上はパティオに面したハーフ・アウトドアのカジュアルなセッティング。
下は小規模でプライベートなダイニング・ルームでミュラルとシャンデリアの雰囲気がマッチしているものの、閉鎖的な印象。
写真上は共にパティオに通じる廊下のスナップ。壁のアートやカーペットは徹底してクラシック。
全体的に現代人のライフスタイルにマッチしたスペースが無いのがこの邸宅で、
1家族が改装して暮らすには広すぎる物件。
そのため買い手がつくとすればビジネス目的のバイヤーであることが見込まれますが、
ウィリアム・ランドルフ・ハーストは大富豪であったので、このビバリーヒルズ・マンションの他に、
ハースト・キャッスルという物件もカリフォルニア州サン・シメオンに所有。
こちらはミュージアムとして一般に有料公開されています。
以下ではそのハースト・キャッスルの一部をご紹介します。
ハースト・キャッスル in サン・シメオン
ハースト・キャッスルは1920年代にウィリアム・ランドルフ・ハーストが暮らしていた大邸宅。
当時はチャールズ・チャップリンが頻繁に訪れていたとのことで、現在は有料のアトラクションとあって
庭の手入れから保存までが完璧に行われています
写真上はハースト・キャッスルのグリーク・スタイルのアウトドア・プールと、その美しさが評判のインドアプール。
共に当時のハースト家の富を象徴するアーキテクチャーです。
ドーム・トンネルスタイルの天井、ランタン・スタイルのシャンデリア等、モロッカン・スタイルの影響が感じられるスタディ。
お金を払ってでも眺める価値が十分にあるアーティスティックな空間です。
詳細はハースト・キャッスルのウェブサイトでご覧ください。
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